たった12名の研究結果で健康効果認定をする官僚たち

限られた2名の被験者でその効果を判定するというのはどういうことだろうか?

αエラーとβエラーなるものを考えるべき

αエラーとは,母集団に実際には差がないのに,差があると結論を出してしまうエラー
βエラーとは,母集団の間に実際には差があるのに,差がないという結論を出してしまうエラー





必要症例数の検討をおこなう

πc=0.5と仮定して行う・・・
Zα=1.96
Zβ-1.28

πt  必要検討数
0.6  52.07
0.7  25.40
0.8  16.21
0.9  11.36

となる、明瞭な差のある場合でも11名必要



これを考えるに

これなんざ・・・典型的な統計の誤用ではないか!

  ↓
森林浴にお墨付き、長野・癒しの森など10か所
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060418-00000212-yom-soci


森林浴にお墨付き、長野・癒しの森など10か所
 男子大学生12人に森林を実際に歩いてもらい、唾液(だえき)中のストレスホルモンや、交感、副交感神経の働き、血圧、脈拍が、都会にいる場合と比べてどう変化するかを検証。10か所すべてで、6項目のうち少なくとも一つが改善するなど、リラックス効果が見られたため、セラピーロードと認定。

 また、リラックス評価6項目のうち二つ以上で改善があった上、散策路や宿泊施設の整備、森林の手入れなどの管理の基準をクリアーした6か所を、滞在拠点として適したセラピー基地にも認定した。(読売新聞) - 4月19日


どんな仮説を行って検討しているか知らないが、上記記事を見れば、おそらく前後比較の検討と思われる。対照をしっかり導入しているのかはなはだ疑わしい。
12例の検討というのは予備的研究としかいえないし、それで、行政方針を決めるのはきわめて非科学的と言わざる得ない。行政官は科学的考察というのができないようである。行政に関わる公務員任官時、統計学試験を文系理系にかかわらず必須にすべきと思う。もっといえば、現時点の高級官僚に試験をして不合格ならやめてもらうことが大事。

認定・お墨付き=天下り先と思われるが・・・・・役人というのは・・・統計を誤用し、税金の無駄遣いをするところなのだと改めて考えてしまう。

by internalmedicine | 2006-04-19 13:34 | くそ役人  

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