片頭痛とエストロジェン



The Influence of Estrogen on Migraine
JAMA. 2006;295:1824-1830.
http://jama.ama-assn.org/cgi/content/short/295/15/1824

片頭痛におけるエストロジェンの影響は、男性に比べ女性で3倍多いことを考えれば明らかであろう。生殖可能年齢の女性での片頭痛の頻度の変化でもそのことが想定される。
月経期片頭痛は治療抵抗性であり、一般的にはAuraを伴わず、期間も長く、機能的なディスアビリティーも他の時期の片頭痛に比べて影響が大である。
中枢性・末梢性へのエストロジェンの役割が生化学的・遺伝子的なエビデンスから示唆され、セロトニン系の興奮回路の関与も考えられている。
エストロジェンの予防的なエビデンスは一致した結論にないが、セロトニン受容体アゴニスト(トリプタン類)は急性の症状改善に有益で予防的役割にも考慮されるものである。



月経時片頭痛の診断と治療に詳細が掲載されている。


以下の記載もある
月経期間において、NSAIDs、トリプタン、エストラジオールにてその発作の頻度・重症度に対して有効と思われる。
経口避妊薬(OCs)の使用はその頻度と重症度に影響を与えるだろう。
片頭痛とホルモンOCsの両者の存在は虚血性卒中のリスク要因。
OCs使用するときは、ベネフィット・リスク比を考えて使用すべき。
妊娠中の使用する片頭痛治療薬剤に関して潜在的なリスクを考慮すべき


片頭痛の頻度は加齢とともに減少し、多くの場合改善し、消失する場合がある。
しかし、月経期において、片頭痛はエストロジェン値の変動とともに悪化する。
エストロジェン量を減少し、HRTの投与方法を変えることにより、頭痛がげんしょうすることがある。
片頭痛は閉経女性においては卒中のリスクではない
閉経後片頭痛にHRTを考慮するとき、適応と禁忌を考慮すべきである。HRT自体が片頭痛を悪化させることがある。

CNS Drugs. 2006;20(2):125-41.




変動という要因はとらえがたいものである。何か良い指標はないものだろうか?

by internalmedicine | 2006-04-19 15:40 | 医療一般  

<< 福島県警は医者逮捕表彰 たった12名の研究結果で健康効... >>