persistent ARDSへのステロイド投与
2006年 04月 20日
超急性期に超大量・・・>持続的投与・少量化へ と確かに・・・その話題は変化はしているのだが・・・
今回勉強になったのは、神経筋機能への悪影響が重要ということであった。
ということは、それをspareする栄養・筋力トレーニング・NPPVなどとの組み合わせはどうなのだろうかと・・・考えてしまう・・・
敗血症に対するBundle
http://intmed.exblog.jp/2295010/
で、少しふれてるが・・・
早期ARDSに対して高用量短期CS治療を4つほどのトライアルを行ったが、いずれも生存率改善にはつながらなかった。中等量のCSによる持続性ARDS患者への改善効果が報告され、単施設、ランダムトライアルで肺機能・生存率改善効果が示された。
CSに起因するリスクは不明だが、高用量CSは二次感染悪化させる報告もあるが、メタアナリシスでは不明であった。高血糖・創傷治癒遷延、精神症、膵炎、長期的な筋力低下などが考えられる。
Efficacy and Safety of Corticosteroids for Persistent Acute Respiratory Distress Syndrome
NEJM Volume 354:1671-1684 April 20, 2006 Number 16
ARDS治療に全身投与することの有用性は議論があるところである。
180名の患者にmethylprednisoloneとプラセボを7-28日間使用したが、その60日・180日死亡率には有意差がなかった。故に推奨されない。
7日目以下のARDS180名の患者をランダムに割り当て
プライマリエンドポイントは60日めの死亡率
セカンダリエンドポイントは人工呼吸無し日数・臓器障害無しの日数
炎症性・繊維増殖性生化学マーカーや感染症合併症
【プロトコールの一部】
メチルプレドニゾロン5%dextrose50mlに溶解
メチルプレドニゾロン2mg/予測体重Kg→毎6時間0.5mg/予測体重Kgを12時間~7日投与、その後中止。
【結果】
入院死亡率は
60日目にて、プラセボ群で28.6%(95%CI 20.3-38.6%)、メチルプレドニゾロン群29.2%(20.8-39.4%)
180日目にて、プラセボ群で31.9%(95%CI 23.2-42.0%)、メチルプレドニゾロン群31.5%(95%CI 22.8-41.7%)
少なくとも御セットから14日にてエントリーしている患者のメチルプレドニゾロン群は有意に60日- 180日-死亡率増加と関連している
メチルプレドニゾロンは人工呼吸無し、ショック無しの症例数を増加させる。それは酸素化・呼吸コンプライアンス、昇圧剤による数日の血圧の改善と関連
プラセボと比較して、メチルプレドニゾロンは感染勝率を増加させないが、神経筋力低下を多くもたらす。
by internalmedicine | 2006-04-20 11:46 | 呼吸器系