高脂血症治療薬の副作用:悪夢
2006年 04月 21日
高コレステロール血症のため。atorvastatin服用後5日で悪夢をみた72才女性の報告
BMJ 2006;332:950 (22 April), doi:10.1136/bmj.332.7547.950
悪夢はatorvastatin服用2週間と半分ほど毎日生じ、atorvastatin中止後消失した。
服薬にて再現もされ、中止により再び消失した。
simvastatinと悪夢の関係も報告されているが、atorvastatinでは今回の報告が最初。
このメカニズムは中枢神経系への直接作用や pharmacokinetic or pharmacodynamic interactionも考えられる。
他の薬剤と悪夢の関係としては、REM抑制とドパミン受容体刺激などの関係も考慮されているが、明らかな薬剤的なメカニズムは不明である。
悪夢の定義:強度の不安・恐怖の夜間のエピソード、鮮明で、情緒的な夢の経験
偶発性の悪夢は一般成人で80%は経験していて、ストレスに対する正常反応と考え
REM睡眠の最後に悪夢が生じるのが主。REM睡眠抑制する薬剤が悪夢の病因とも関連する可能性がある。
夜驚(night terrors)との混乱に注意
night terrors(pavor nocturnus)は、よりはっきりとした発声、体動、自律神経放電(autonomic discharge)、悪夢より恐怖・不安を伴う。そしてnon-REM睡眠の3・4期に生じやすい。
PTSDは悪夢の原因となる
The Annals of Pharmacotherapy: Vol. 33, No. 1, pp. 93-98.
by internalmedicine | 2006-04-21 10:11 | 医療一般