「牛乳はこんなに身体に悪い」(新潮45 6月号)に対する農林水産省の申し入れ
2006年 04月 22日
http://www.maff.go.jp/www/houdo/houdo/130523gyu.htm
娯楽週刊誌ってのは、科学的な記事に関して特にトンデモ内容が多いので信用する方が少ないと思うのだが・・・お役人さんたちの反論を真剣なのが傍目でみていておもしろい
「牛乳にカルシウムが少ないため、日本人の骨が弱くなった」
これに対する反論として、“牛乳は他の食品と比較してもカルシウムに富み、その吸収率も高い”を上げている
・・・これなんざ、明らかに新潮の側の誤りであり、本来はバイオアビリティーについて問題にすべきだったのだが、記者の科学的素養の不足が否めない。一方的な勘違いと思って良いと思う。
ただ、牛乳のカルシウム吸収効率は現在未決問題も含むのであり、断定はできないはず。
そして、抜群に牛乳が吸収率がよいのかというと・・・
carbonate, from 26.4 (fasting) to 29 (meal)
citromalate from 32 (fasting) to 37 (meal)
citrate 23.5 (fasting)
lactate+gluconate 24.5 (fasting)
chloride 30.6 (fasting)
milk 32.4
cheese 32.8
mineral waters 32.3
oxalate-rich products (calcium oxalate, spinach, watercress) 13.2
(引用)・・・こちらのデータだと抜群といえるかどうか
また・・・
確かにカルシウムの供給源としては比率を占めることには異論はない、野菜やミネラルウォーターなどの他の食品などと比べ、よりよい供給源なのかということに議論が残っている。(The Bioavailability of Dietary Calcium Journal of the American College of Nutrition, Vol. 19, No. 90002, 119S-136S (2000))
ハーバードの栄養学に関するウェブ記載では・・・
牛乳は、カルシウム供給源として現実的には多くの供給源のただ一つに過ぎず、全ての人にベストとはいえない。
“Milk is actually only one of many sources of calcium, and there are some important reasons why milk may not be the best source for everyone. ”
とあり、まぁ否定的な学者さんも多いということで・・・まだ、未解決
それにしても、役人さん、牛乳関連事業者に遠慮?
カルシウム補給そのものは、骨密度・骨折リスクとも確定的なエビデンスではないのですよ・・・
http://intmed.exblog.jp/498602/
ついでに言えば、国民の健康を考えれば・・・
1)lactose不耐
2)飽和脂肪酸を多く含むこと
3)乳癌・前立腺癌リスクの増大の可能性
をも付記すべきでは(・・・業者よりの官庁には無理な話か?)
不耐症の子供にはヨーグルト製品でも勧めてよいということで、まぁ業者への顔も立ち、天下りにも役立つ?
by internalmedicine | 2006-04-22 12:17 | くそ役人