心血管リスク予防の食事指導
2006年 05月 09日
一般大衆がそう勘違いするようなテレビ番組が多い・・・かなり罪作りな自体である。
AFPから・・・心血管リスク予防の食事指導について・・・ほんとに、意味があるのかという話
Dietary Advice to Lower Cardiovascular Risk
Does dietary advice to patients achieve sustained dietary change or improvements in cardiovascular risk profile?
http://www.aafp.org/afp/20060501/cochrane.html#c3
どの分野でどの程度効果があるのだろうと以前から疑問があったのだが、比較的、脂質摂取制限・繊維摂取などは効果がはっきりしてそうで、減塩に関してはやはり厳しいかもしれないが一応効果あり、中性脂肪・HDLなどは疑問という感じだろうか?
まぁ・・・食事療法だけでってのも無理な話なのだろうが・・・
【臨床的疑問】
食事指導は持続的な食習慣の変化をもたらせらえるか、心血管リスクを改善させられるか?
【回答】
・体重4-8%の減量は血圧(収縮期・拡張期)3mmHg減少させ、高血圧患者の薬物必要量を減少させる。
・塩分制限は血圧を低下させる。
・肥満は様々な健康アウトカムと相関。
とあるが、食事療法単独で、疾患発症を予防・遅らせることのできる健康的な食習慣を患者に形成させられるかは不明である。
Brunnnerらは、健康成人における、心血管リスク要因の改善・持続性の食事内容の変化を目的とした食事指導有りと指導無しのものとを比べたランダム化トライアルを研究。
23トライアル、24443名の患者。
介入は、低脂肪・減塩食、果物・野菜・繊維摂取などを促す個別的、グループセッション、書類が主に含まれるもの
<血圧に関する4つのトライアルで、食事指導は有意でない、収縮期血圧2.1mmHg、拡張期血圧 1.5mmHgの減少
7つのトライアルにて総コレステロールが報告され、有意なLDL減少5mg/dLで、HDL・TGには影響なし。
10の研究で、総カロリー比率として6%の平均減少が報告
8つの研究で、果物・野菜摂取に関して1.2サービング/日の増加がみられた
4つの研究で、食物繊維の7.2g/日の増加
介入期間をのばすほどその効果が高まる。
12%ほど冠動脈性心疾患の頻度を食事指導により減少させると推定している。
栄養指導のBenefitが具体的に数値化されているが、日本ではどうなのか、コストに見合う栄養指導というのも一度考えてみてはいかがだろうか?・・・・>役人さん、栄養関係の専門家の皆さんたち
by internalmedicine | 2006-05-09 15:35 | 動脈硬化/循環器