P>.05 の意味
2006年 05月 19日
でも、スピーチ・セッションの時は有意差は証明できなかったが、傾向は認めた・・・と説明されることがある・・・その後、それをもとにスピーチが続くことすらある
帰無仮説にもどって、考え直さないと・・・意味が分からなくなるのだが・・・時折、失念してしまうのが研究者・医者・・・
ところが、マスコミという輩にはそれが洋の東西を問わず、そういう原理・原則がつうじないらしい。
外人の冗談交じりのたとえというのは・・・どうもピンとこない事が多い・・・
特にスポーツネタは・・・マイケルジョーダンくらいは知ってるので、以下の説明はまだわかるが・・・
(Medscapeから)
多くの時間を詰め物と荷物運びに費やした後、バッグは車の中に、補助椅子に子供を乗せ、取り出しやすいようにsnack bagを置き、buckled inし、イグニッションキーを手に持つ。
ところでと・・・妻が問う・・・「カメラは?」
統計学者だとしたら、2つの仮説として即座に変換する。
・“カメラは車の中にある”
・“カメラは家においてある”
車の中の荷造りの中を探すよりは、家に帰って探す方が簡単だとして、二番目の仮説を試験することにする。
数分後に、筆者は普通カメラをもつ、そして家の中でどこにもカメラを見つけられなかったと妻に答えます。
私たちは、「それはどこかに車にあるに違いありません」と結論を下して、旅行に出発します。
我々は帰無仮説として知られる仮説を打ち立てます。興味のない方を仮説としてたて、分析し、P値を得、Pが.05未満なら、我々は帰無仮説を否定し、我々の真に興味ある方を結論づけます。
薬剤トライアルは単純な事例です。プラセボと同等という帰無仮説をたて、もし<.05ならプラセボと薬剤は異なると言うことになります。
Pが.05を超えた場合は、やや複雑になります。
統計学者である筆者が、Mchael Jordanとバスケットを行い、七回のストレートフリースローを放ち、筆者が三つのヒットし四つミスしたとするとコンピューターではP値はFisher exact testにて .07という値が計算されます。
この結果から筆者のバスケット技術とMichael Jordanの技術に相違がないということと判断してはいけない事になります。
多くの研究者、医師、コメンテーターが医学研究の結果解釈に於いて反対の結論をだすことが有ります。
WHIトライアルの低脂肪食の乳癌への評価がなされJAMA 2006年2月8日号で発表されたが、対照群と比べ低脂肪食事女性の乳癌リスクが10%の減少と報告されている。
もしこれがホントに違うなら、安価で毒性のない低脂肪食は毎年1万人米国で減らすことができると言うことになる。
P値はなんと.07であった。
低脂肪食は効果がないと広く解釈されてしまったのである。
New York Timesの社説では、“低脂肪食は試験失敗”とし、このトライアルは“全ての脂肪に対する戦いまだ中身がないという証拠”として掲載された。
しかし、治療が有効であることが示されなかったということだけであり、無効と言うことではない。
フジテレビ・スポンサー不買運動!のこのコメントに賛同
↓
医師たたき番組に投資するということは、
医師に向かって、
「お願いですからわが社の製品を使わないでください。」
by internalmedicine | 2006-05-19 08:27 | 医療一般