アテローム硬化性血管疾患患者の二次予防に関する最新ガイドライン
2006年 05月 25日
AHA/ACC 脳卒中・TIAガイドライン改訂は書いてたので・・・これでは中途半端・・・
AHA/ACC Guideline
AHA/ACC Guidelines for Secondary Prevention for Patients With Coronary and Other Atherosclerotic Vascular Disease: 2006 Update
(Circulation. 2006;113:2363-2372.)
・・・すっかり見逃していた。
上記記事でポイントは書かれているが・・・
サマリー:http://circ.ahajournals.org/cgi/content/full/113/19/2363/TBL1A
http://circ.ahajournals.org/cgi/content/full/113/19/2363/TBL1B
喫煙:完全禁煙、環境的タバコ暴露をさけること
血圧コントロール:<140/90
<130/80(糖尿病・慢性腎疾患患者)
脂質コントロール:
LDL<100 mg/dL
(TG>=200mg/dL 非HDL<130mg/dL)
身体運動:
30分、週7日(最小5日)
体重コントロール:
BMI:18.5-24.9 kg/m2
腹囲:男性<40インチ、女性<35インチ
糖尿病コントロール:
HbA1c<7%
抗血小板・抗凝固療法:禁忌以外全患者にアスピリン
急性冠症候群やステンと治療などclopidogrel併用
心房細動原則ワーファリン
RAAS系:ACE阻害剤、ARB、アルドステロン拮抗剤
ACE阻害剤:駆出率 ≤40% and 高血圧、糖尿病、慢性腎疾患(禁忌のない場合) I (A)
ARB:上記薬剤不応時
併用療法をつかうこともある
アルドステロン拮抗剤:Use in post–myocardial infarction patients, without significant renal dysfunction** or hyperkalemia{dagger}
β‐遮断剤:
all patients who have had myocardial infarction, acute coronary syndrome, or left ventricular dysfunction with or without heart failure symptoms, unless contraindicated
インフルエンザワクチン
上記日本語記事から気になるところ抜粋
・受動喫煙を厳格に忌避すること
・降圧剤選択に関してβ‐遮断剤 and/or ACE-I →多剤追加の手順
・植物スタノール/ステロール(2 g/日)
・粘性繊維(10 g/日超)
ペクチンやグルコマンナンは水に溶けると、ゲルとなりねっとりとしてきます。胃や小腸の内容物が粘性をもつと、食物の移動が遅くなり、また栄養素の消化や吸収がしにくくなります。粘性の高い食物繊維では、血糖値を上げにくいものや、血中コレステロールを下げる効果が強くなります。
魚類またはカプセル剤(1 g/日、トリグリセリド高値の治療では更に高用量)によるω-3脂肪酸の摂取量の増加
・急性冠動脈疾患では即刻脂質プロファイル測定を
・身体運動に関しては週に7日(または週に5日以上)
抵抗を利用したトレーニング(resistance training)は、週に2日の実施推奨
・抗血小板薬および抗凝固療法にはアスピリン:禁忌でない限りすべての患者におい無期限に継続
・発作性または慢性心房細動・粗動:ワルファリン
以下は日本語訳として・・and orなど詳細に考える必要あり・・・誤訳の可能性有ると思うのだが・・・
ACE阻害薬は禁忌でない限り、
左室駆出率40%以下のすべての患者
高血圧患者
糖尿病患者
慢性腎疾患患者
において無期限に継続
これらに該当しないすべての患者においても投与を検討。
薬剤に関しては、日本では多剤をだすと保険診療上減収という罰が加えられますが、これって二次予防治療をするなっていって居るようなもの・・・こういう矛盾をほっとく学会のおえらいさんも問題・・・糖尿病+高血圧+(脳卒中 あるいは 心筋梗塞)の患者にガイドラインに従った薬物治療をしたらいったいいくつの種類の薬剤が必要か・・・国会ででもこたえてもらおうじゃないの・・・厚労省さん
とぐちりながら・・
by internalmedicine | 2006-05-25 10:32 | 動脈硬化/循環器