長時間連続血圧測定(ABPM)

カルテを日本語で書け!などとほざく馬鹿が世の中にははびこり、馬鹿役人どももそれを強要し、日本医師会などのカルテ見本をみると記載に1時間はかかると思われるきれいな日本語の文字でカルテが掲げられている。診療に要する時間3分、カルテを日本語でかくと10分から15分かかる(医師会カルテを略号無しの日本語で書くと5倍程度時間がかかることを確認してみた)・・・いったい、真に誰のための日本語化なのだろうか?

無理矢理日本語化の最大の弊害は、英語から日本語に訳すというステップに多くのバイアスがかかることである。時に意図された政治的・経済的宣伝に使われたり、言葉のイメージが意図しない方向へ一人歩きすることもある。卑近な具体例として・・・・サービス産業というサービスの意味がまるで奴隷と勘違いされしまって、契約事項が利用者に提示されていないため、無限の要求を日々突きつけられる我々医療サービス業者もご主人様たちの命令に背けない日々が続く・・・



話が脱線したが・・・


白衣高血圧まではまだまともだったが、仮面高血圧・職場高血圧などは・・・こまったものオリジナルから離れ勝手な解釈や定義を日本で流布してしまっている


Ambulatory Blood-Pressure Monitoring
NEJM Volume 354:2368-2374 June 1, 2006 Number 22
基本的に聴診法に頼る従来の血圧測定法が、白衣効果、血圧の従来の変動という側面などをとらえきれなくなってきている。
ABPMは40年前から記載があり、ほとんどの方法はoscillometric techniqueである。

・持続血圧測定とクリニックベースの測定での相関は0.5-0.7であるが、血圧が低い時は相関が悪くなる。



・周日リズム(Diurnal Rhythm of Blood Pressure)
一般的には睡眠後3-4時間最小、覚醒語一過性にsurgeを迎える。正常血圧・高血圧にかかわらず、個人によっては、夜間血圧が減少(<10%)し、これをnon-dipping patternと呼ぶ。極端例は自律神経障害など、夜間に血圧増加する例がある。nondipping patternは黒人に多く、昼間の活動性が高い、睡眠Quality 低下、交感神経活動性亢進、ステロイド使用、腎障害の存在などに多い。Non-dippingは他の人種や民族より心血管疾患に関して黒人で高リスクであるということの理由にも関連するかもしれない

・Blood-Pressure Variability
変動にはいろんな種類がある。心拍毎の変化から始まり週毎・月ごと。しかしながらこの変動の問題がいかに臨床的に意義があるかは不明


アウトカム測定
・初回治療時の患者を比較するトライアルは少なく、多くは未治療患者に対する治療変動をみる研究がほとんどで、観察期間は2-8年で、臨床上の血圧測定より予後推定としては持続血圧測定が優れているという研究結果である。多くは平均血圧測定値であるが、もっともリスク予測として優れているものであるかは不明。

具体例:
・Daytime blood pressure
・Home blood pressure
・Nighttime blood pressure
・Dipping pattern
・Mornig surge
・Variability of blood pressure
・24-Hour average blood pressure


dabl(r)isease Management Systems

dippingパターンによるいくつかの検討があり、dipping patternよりnondipping patternを示す患者の方が高riskであるというエビデンスがいくつかある。動脈内持続血圧モニタリングを用いた測定では、血圧治療後も7年後の左室量の増加の独立した因子であるという研究がある(J Hypertens. 1993 Oct;11(10):1133-7.)が、他の前向き非侵襲的モニタリングで、variabilityの指標に関して有意な予後因子でないという研究もある(Blood Press Monit. 1996 Feb;1(1):3-11.)。


White-Coat Hypertension
白衣高血圧はUSのCenters for Medicaid and Medicare ServicesでABPMとして認可されている唯一の適応。
白衣高血圧疑診例:
1)少なくとも3回以上クリニックでの血圧測定で140/90 mm Hg以上
2)クリニック以外で2回少なくとも140/90未満
3)ターゲット臓器の障害無し


いくつかの研究でwhite-coat hypertensionの薬剤治療は血圧を下げるが、持続血圧に関しては不定。
ひとつの研究では合併症へ影響を与えないという結果もある.

Labile Hypertension
Labile hypertension(変動性項血圧)はもともと血圧は変動して当たり前なので、misnomerでもある。しかし、奇異製の高血圧を示す患者で役立つことがある。 褐色細胞腫疑いのとき役立つ可能性があるが、この疾患自体が必ずしもlabile hypertensionとは限らない。パニック発作の時にcommonであり、心拍とともに増加するのが特徴。現時点で、labile hypertensionと正常とを区別するnormは存在しない。.


Resistant Hypertension
white-coat effectの極端な例として存在例がある。持続血圧にて正常場合はresistance hypertensionのサブグループは予後良好という報告がある(Hypertension. 1998;31:712-718.,Am J Hypertens 2005;18:1422-1428.)
.わざわざ持続モニタリングしなくてもhome measurementで済むことが多い。

Masked Hypertension
数年、masked hypertension減少への関心が増加している。その定義は “受診時正常血圧 and 持続血圧モニタリング高値”であり、この状況はwhite-coat hypertensionの逆の現象である。心血管イベントのリスクを過小評価しているのかもしれない可能性があり、治療中の高血圧患者にて1/3この現象があること、相対リスクとして2.28であることが示された(Am J Hypertens. 2005 Nov;18(11):1422-8.<ここ>)。臓器障害をきたす可能性の報告(Ann Intern Med 1999;131:564-572.)。このmasked hypertensionは10%ほどと考えられる。white-coat effectも、masked hypertensionも自宅記録をベースにされている。単なる自宅での血圧測定で、わざわざ持続血圧測定する必要はないとする考えもある。


Postural Hypotension・・・以下略

by internalmedicine | 2006-06-01 11:33 | 動脈硬化/循環器  

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