リウマチのテーラーメイド治療
2006年 06月 19日
テーラーメイド治療の紹介がなされていた。
記憶によると、たしか、ある薬剤治療に関して30%の副作用がある確率があると記載された予測データが示され、断定的に紹介されていた。・・・そういうデータがあるのかもしれないが、通常信頼区間などを考えると断定的なことがいえるのだろうかなどと考えていた。
・MTHFR遺伝子のSNP遺伝子型
トトレキサートに関係する葉酸の代謝を行うMTHFRという酵素の遺伝子の2か所のSNPを遺伝子検査で決定することにより、メトトレキサートの副作用の起こりやすさ、メトトレキサートの効きやすさを予測
1298C:MTX低用量使用:RR 2.18 95%CI 1.17-4.06 P<0.05
677T:総括的なMTX毒性高率:RR 1.25 95%CI 1.05-1.49 P<0.05
677C-1298 haplotypeの患者はMTX低用量:RR 2.14, 95% CI 1.13-4.0 P<0.05
677T-1298A haplotypeの患者はMTX副作用が高い:RR 1.42 95%CI 1.11-1.82 P<0.05
Pharmacogenetics. 2002 Apr;12(3):183-90.
・NAT2遺伝子のハプロタイプを用いたオーダーメイド医療
スルファサラジンの薬剤の無毒化に関係しているNAT2という酵素の遺伝子の4-5箇所のSNPを遺伝子検査で決定し、ハプロタイプという複数のSNPのつながりを解析するアルゴリズムを使うことによりスルファサラジンに対して副作用がでやすいかどうかを予測
CYP (CYP2D6, CYP2C19, CYP 2A6, CYP2C9 , CYP2E1)やglutathione-S-transferase (GST-M1 and GST-T1) 、N-acetyltransferase (NAT2)が関連
Severe cutaneous adverse drug reactions - relevant aspects to diagnosis and treatment
・SAA遺伝子のSNP遺伝子型を用いたオーダーメイド医療
アミロイドーシスの原因物質であるSAAという蛋白質の遺伝子のSNPを遺伝子検査で決定し、アミロイドーシスになりやすさを個人レベルで予測する。
いづれも、SNPによる予測もまだ多くの因子のひとつであり、決定的にその後の治療効果を予測するものではまだないと思う。
MTXとMTHFRの関係などは比較的関連性が明らかなのだろうが、それとて、信頼区間の幅をみれば、30%と断定されるものではない気がする・・・・
まぁ 判断材料がまったくないものと比べれば、この種の予後推定因子の患者への説明というのは大事だとは思うがあまりに断定的だったので違和感をおぼえた
・・・以上、素人の感想として・・・
by internalmedicine | 2006-06-19 10:05 | 医療一般