強皮症・間質性肺炎に対するシクロホスファミド投与のトライアル




結論から言えば、この良好なデザインのトライアルは、強皮症関連の間質性肺炎の選択患者にシクロホスファミド(cyclophosphamide:CPA)の有益性のある効果が確認された、sentinel studyと考えられ、 死亡率や悪性疾患合併に関する長期フォローアップデータはないが、治療的反応がある程度あり、重篤な毒性の可能性が存在しないということから、全ての患者で1年連日cyclophosphamide投与をルーチンに使用することを考慮すべきである

というエディトリアルが、以下の論文のついて記載されている。

強皮症に合併する患者は臨床的に重篤な間質性肺炎を有し、それは合併症や死亡の原因となり、患者の約40%に存在する。治療は困難であり、controversialである。



Cyclophosphamide versus Placebo in Scleroderma Lung Disease(NEJM Volume 354:2655-2666 June 22, 2006 Number 25 )で、多施設プラセボ対照治験、定義化された、有症状強皮症関連間質性肺炎・胞隔炎に対するもので、効果は少ないものの、肺機能や症状に対して1年以内に統計的に有意な改善があった。

158名の患者のうち、145名が最低6ヶ月の治療完遂、分析が行われた
12ヶ月後のFVC予測率はCPAとプラセボで2.5(95%CI 0.28-4.79)% P<0.03
生理学的、症状的アウトカムでは治療関連の相違があり、FVCの違いは24ヶ月時点でも継続
CPA群で副作用イベントあるが、重篤な副作用は有意ではない。

by internalmedicine | 2006-06-22 11:06 | 呼吸器系

 

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