血圧日内変化と心不全:夜間拡張期血圧・non-dipperが重要

血圧周日パターンとうっ血性心不全のリスクというタイトルなのだが・・・結局は、夜間血圧に話が集中するわけで、うっ血性心不全(CHF)のリスク要因に関して追加的なリスク情報を提供する可能性があるという結論が引き出されている。
夜間拡張期血圧とnon-dipperパターンが重要であるとのこと

Diurnal Blood Pressure Pattern and Risk of Congestive Heart Failure
JAMA. 2006;295:2859-2866.
フォローアップ中70名心不全発症:8.6/人年
多変量Cox比例ハザードモデルで高血圧治療・うっ血性心不全の確立したリスク要因(心筋梗塞、糖尿病、喫煙、BMI、血中コレステロール値)を補正した結果、拡張期持続血圧1-SD(9 mmHg)増加につきハザード比(HR) 1.26 (95%CI 1.02-1.55)にてCHFリスク増加
“nondipping”(夜間:昼間持続血圧比)はCHFのリスク増加と関連
office(診療所)測定血圧(収縮期・拡張期)補正後も、nondipping血圧は、CHFの有意なリスク推定因子である(HR, 2.21; 95% CI, 1.12-4.36 vs normal night-day pattern)。

ベースライン・フォローアップ以前の急性心筋梗塞を有する患者を除外した後、夜間持続拡張期血圧とnondipping血圧は、有意なCHFの予測因子である



循環器系の医師というのは、上気道抵抗症候群や閉塞型睡眠時無呼吸症候群、夜間低酸素血症などの病態になぜ関心が行かないのだろうかという疑問をもってしまうのだが

そして、日本では周日血圧パターン・ABPMというと・・・欧米で議論されているテーマの斜めをつきすすむ先生が議論を混乱へと導いている。
(eg. http://intmed.exblog.jp/2112831/)・・・(いつもの話題)


このおっさんの話はさておき、世間の流れはArterial waveの方なのだろうか?
Augmentation Indexの検討の話を聞いたが・・・やっぱりこの種の話とABPMをむす日つける話になるだろうなぁ・・と感じた

ambulatory arterial stiffness index (AASI)という指標が心血管死亡率の予測因子として報告があり
((Hypertension. 2006;47:365.))

そして、その指標と持続血圧との関連を探ろうとしている動きがある
Ambulatory Arterial Stiffness Index Derived From 24-Hour Ambulatory Blood Pressure Monitoring (Hypertension. 2006;47:359.)

Clinic Officeベースの話なので、Apneaの指標は対象になりにくいのだろう。
ただ、酸素飽和度モニタリングの器械も出てきたので、その検討も時間の問題なのだろうと・・・想像しつつ・・・駄文

by internalmedicine | 2006-06-28 11:04 | 動脈硬化/循環器

 

<< 輸血保存も古くなると死亡率・入... 処置毎に0.5%リスクの手技で... >>