CRPは動脈硬化の“限定的”予後因子である

CRPターゲットの治療(Nature 2006 Apr 27;440(7088):1217-21.)。心臓発作や卒中後の病巣の虚血性壊死部位にて補体を介した炎症増悪が組織障害を増悪する。大きな梗塞巣ほど合併症・死亡率増大させ、その後の長期予後へも影響を与える。CRPは障害組織中のリガンドに結合する蛋白であり、それを利用した治療法。ラットのCRPはラットの補体を活性化しない。ヒトCRPはラット・ヒト補体を活性化する。CRPを治療的に押さえる方法が提案されているのである。

また、vascular biomarkerというのが流行のようである。FDAがbiomarkerを心血管疾患治療において臨床的適用への認めはじめたこと、スタチン、フィブラート、ナイアシン、レジン類、ezetimibeなどの承認にこれらのbiomarker改善を含む指標を判断根拠に組み入れたのが一つの要因であると書かれている学術雑誌記載があった(*)。


メタボリックシンドロームへの組み入れの提案もあるようである


たとえば、REVERSAL study(JAMA 2004 March 3)で、hsCRPの改善が見られたといって、スタチン製剤の抗炎症硬化の宣伝がなされている。しかし、この研究はあくまでも動脈硬化のvolume減少の証明が主体である。“「悪玉」コレステロール値と高感度CRP 値の両方を下げることにより冠動脈プラークの進展を抑制”と一方的に決めつけるのはいかがなものか・・と、下記Reviewを見ながら思う



Narrative Review: Assessment of C-Reactive Protein in Risk Prediction for Cardiovascular Disease
Ann Int Med 4 July 2006 Volume 145 Issue 1 Pages 35-42

心血管リスクのマーカーとして、予後推定、古典的なリスク要因補正後の有意なリスク要因と言われている。
しかし、この検診・リスク推定の奇異なリスクマーカーは相対リスクとして判断されるべきものでなく、感度・特異度・予測値、尤度、モデルキャリブレーション、areas under receiver-operating characteristic curvesとして検討されているわけではない。


炎症は、動脈硬化の鍵メディエーターとして、CVDイベントの引き金として出現した。

CRPの、伝統的なリスク推定アルゴリズム、Framingham risk scoreのような推定アルゴリズムにおいて、CRPの特性が検討されたもの数少ない研究に由来するものである。

包括的な成人群で、CRPはリスク推定としてFramingham risk scoreを利用する上で追加的意義は少ない

Framinghamによるリスク高(>20%)・低(<10%)の間で、CRPはそのリスク判別として若干役立つに過ぎないのである。
Framinghamによる10年リスク(10-20%)で、CRPは3.0mg/L超のとき強化予防治療が必要とされる。




標準的CVDリスク要因として受け入れるまえに、リスク推定アルゴリズムとして取り込まれる前に、そして、普遍的検診として考える前に、CRPには多くの疑問が存在している。

CRPの研究や他のCVDリスクマーカーは試験特性について焦点が向けられるべきで、単なる相対リスクではなく、従前のCVDリスク要因に加えてその推定予後として良好となるかどうか検討した上で導入すべきである。

炎症は動脈硬化のプロセスに於いて、CVDイベントの引き金としても、大きなウェイトをしめるメカニズムであり、CRPは非特異的な炎症のマーカーであるが、これをCVDリスク推定として用いようとしているものもいる。しかし、ほとんど全てのnovel risk factorと同様に、CRPも住民検診ルーチンとして組み入れを推奨するほどの明確なものではない。

2003年、CDC-P/AHAは炎症マーカーとして検診時の採用するscientific statementを公表した。このパネルではIIa推奨とされている。“hs(好感度)CRP測定は・・・”10年CHDリスク10-20%の対象者で御kなわれるべきで、今後CVD一次予防の評価・治療の手だすけ・・・と・・・
ただ、このstrategyの利益はまだ不明である。



Narrative reviewと称していて、以下の質問に答える形で・・・回答し、わかりやすいレビューとなっている
Question 1: Is CRP Associated with CVD?
Question 2: What Magnitude of Multivariable Relative Risk Would Substantially Improve the C-Statistic with Addition of CRP to Traditional Risk Factors?
Question 3: Does CRP Add to Existing Algorithms for Risk Prediction?
Question 4: Does a Low CRP Level Markedly Reduce Risk for People Who Are Predicted To Be at High Risk according to Established CVD Risk Factors?
Question 5: Does a High CRP Level Markedly Increase Risk for People Who Are Predicted To Be at Low Risk according to Established CVD Risk Factors?
Question 6: Does CRP Modulate Risk Prediction for People Predicted To Be at Intermediate Risk?
Question 7: Can One Use Uniform Criteria for CRP To Predict Risk in Different Population Subgroups?
Question 8: Does Decreasing CRP Level Itself Reduce Events?



CRPの役割イメージ

by internalmedicine | 2006-07-04 15:29 | 動脈硬化/循環器

 

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