病院機能評価公表部分は患者生命予後改善・悪化を反映せず

病院毎にサービスを競争させて医療の質の向上を図ろうとする市場原理というのが米国で本格化されて未だ20年、その間に様々な弊害が生じてきた。20年前、US市民は高質の医療を受けているという仮想の中、病院のQualityの測定に関心が行かなかった。状況が変わり、病院のケアの質比較競争へと変わっていった。

医療の質の公表がなされているが、公表された病院の医療の質、パフォーマンスというのがどれほどの臨床的アウトカムへ影響を与えているか、実は検討されていなかった。


急性心筋梗塞(AMI)患者に関して、各病院の医療パフォーマンスをモニターし、公表しているが、それに基づくパフォーマンス調査。結果、パフォーマンスが患者のアウトカムへの影響を与えてないことが判明。

Bradleyらは、962病院2002-2003年のデータからAMIのコアプロセス測定と病院特異的、リスク標準化、30日死亡率の相関関係を測定した。
著者らは、プロセス測定が相関はあるが、30日目の死亡率わずか6%の違いしかない。


JAMA. 2006;296:72-78.
入院・退院時のβ遮断剤使用、入院時・退院時のアスピリン使用、ACE阻害剤使用に関して、ペア比較すべてで中程度の相関関係見られた(相関係数 0.40 P<.001)。
統計学的には有意だが弱い相関関係が、これらの測定項目と禁煙カウンセリングと再潅流治療までの時間の相関が見られた(<0.40; P<.001)
いくつかのプロセス指標はリスク標準化された30日死亡率と関連(P <.001)だが、AMI患者の30日死亡率におけるその役割は6.0%のみであった。


論文の結論としては、publicに公表された測定項目では病院のリスク標準化された後の30日死亡率の違いの指標にならない。もっと多くの項目を増やしてまともな指標にしてくれ!ということらしい



ほんとにそうなんだろうか?・・・項目測定を増やしてコストをかけて・・・結局、医療へ振り分ける原資が減少というばかばかしい事態になるのでは?


日本医療機能評価機能なんてのの指標があるが、患者満足度を増しているのか、死亡率を改善しているかなど、全くエビデンスに基づいてない。
早急に急性期疾患などの生存予後など意味があるかどうか検討してほしいものだ。
そして、活躍が変な方向へ膠着しつつある、この財団自体を機能評価してもらいたい

by internalmedicine | 2006-07-05 16:09 | 医療一般  

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