レプチンの作用寄序

要するに何が言いたいかというと、Leptin receptor—STAT3 signalingが、肥満でないfatに関係している可能性があり、その機序が少し解明されつつあるということ

売名家や行政官などにむちゃくちゃにされそうな、メタボリックシンドロームの本来の意義である、内臓脂肪の意義に関して、レプチン-STAT3が結構良い線行っているかもしれない(・・・レプチンに関して個人的に過小評価してた)

(基礎的なものは、RBP4とインスリン抵抗性などと同様、気の向いた時だけお勉強する私)


インターロイキン-6や上皮細胞成長因子やホルモンleptinという類の受容体が全てStat3の活性化に関連している。

Sarha Bateらは、LRb-STAT3のシグナリングの生理学的な役割を、“knock-in”マウスを用いて解明しようとした。tyrosine1138位へのserineのsubstitution(s/s)にて、db/dbマウスおよびs/sマウスは2-3倍の肥満
s/sマウスは正常の長さであるが、db/dbマウスは成長停止であった。
s/sマウスは太ってるが、乳汁分泌不能
さらに、s/sマウスはインスリン・糖ステロイドの分泌調整する視床下部のNPY増加発現できず、db/dbマウスでも見られる所見である。
この結果、LRb null マウスに比較してs/sマウスは高血糖減少性に働き、他のLRbシグナリング経路はこのホルモンを制御するのだろうと推定される。s/sもdb/dbマウスも視床下部メラノコルチン系抑制し、STAT3経路依存することとなる。

Leptin receptor—STAT3 signaling: Fat but not fertile





Einstein大学のプレスリリースの概略
New Findings by Einstein Scientists Reveal Possible Strategy Against Obesity, Diabetes and Infertility
脂肪細胞はレプチンを血中に放出する。視床下部は循環中のレプチン総量を読みとり、食欲、代謝、他のプロセス制御の情報として用いる。
「レプチンについては視床下部の細胞表面の受容体と結合し、STAT3と呼ばれる分子を含む細胞性のシグナルを活性化する。
しかし、Leptinを介したSTAT3の役割自体は不明である」

視床下部にピンポイントにSTAT3を非活動化するテクニックを用いて、レプチン投与時の実験動物への影響を検討したもの
STAT3はいくつかのレプチン活動性を媒介する。微小針を用いて視床下部の特異的な部位へcell-permeable peptide(short protein)を注入する、STAT3の急激な不活化する手段を用いた。
STAT3産生はレプチンのよく知られている活動、食事量低下にとって必要であった。逸脱した糖代謝は高血糖を生じる。STAT3産生を介してレプチンが糖代謝をコントロールするかどうか議論のあるところである。



STAT3をブロックする技術を用いれば、STAT3はレプチンの糖代謝への影響にたいして必須であることを示すことができる。
Women with very little body fat―elite female athletes, for example―may stop menstruating and experience temporary infertility.
非常に脂肪の少ない女性の場合、たとえばエリート女性アスリートの場合、月経がストップし、一時的な不妊となる。
下垂体からの黄体ホルモンや卵胞刺激ホルモンの不適切な分泌による血中からレプチンの消失がみられることがある。
最近の研究ではレプチン少量問うよにて女性の生理周期が回復するとのこと
STAT3ブロック法にて、Einstein研究者らは、STAT3活動性の影響を研究している。



Critical role of STAT3 in leptin's metabolic actions
Cell Metabolism, Vol 4, 49-60, July 2006
Leptinは糖ホメオスターシス・食行動へ多様な効果をもたらす。cell-permeable phosphopeptide法を用いて、STAT3活性をin vivoに抑制して評価したもの
この方法は、固定手術テクニックと生化学的方法との併用で、視床下部のSTAT3の部位をピンポイントにねらう方法で、レプチンの食事摂取・糖ホメオスターシスへの急性の影響をみるもの。急性に食事摂取減少する能力はintactなSTAT3信号に依存する。
STAT3を通したLeptinの視床下部信号は肝臓のブドウ糖fluxへの影響に必要となる。
leptin受容体を介したSTAT3シグナルの長期間の途絶(s/s マウス)は重篤な肝臓のインスリン抵抗性を生じ、レプチン受容体信号欠損(db/dbマウス)に見られるのと同様である。
結論から言えば、視床下部STAT3経路活性化はleptinの食事摂取・肝臓の糖代謝にとって絶対的に必要なものである








血中eotaxinと内臓脂肪細胞のeotaxin mRNAはマウス・ヒトの肥満で増加し、減量で減少する。
The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism Vol. 91, No. 1 256-261

by internalmedicine | 2006-07-06 13:37 | 動脈硬化/循環器  

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