肥満と喘息

肥満と呼吸器疾患でもこの肥満と喘息の関係はトピックスとのこと・・・

USのNational Health and Nutrition Examination Surveys (NHANES) やイギリスの横断的研究で、BMIがリスク要因となるという事が話題になり、過体重(BMI 25-<30)、肥満(>=30)について報告がなされている。考察に過ぎない部分があり、肥満と喘息の関係を明瞭化するに十分でない
Thorax 2005;60:3-4



American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 174. pp. 112-119, (2006)
喘息と肥満はともに頻度の多い病態であり、公衆衛生的なインパクトを有する、大規模そして、進行性の文献では、この2つの関連が示唆されている。
肥満におけるシステミックな炎症環境が、代謝性、心血管合併症の引き金となると推定されるが、この環境では喘息のリスクやphenotypeがどうなのかは不明である。
動物実験で、アレルギー性・非アレルギー性暴露による、肥満とレプチンの気道炎症への関係、内因性・外因性レプチンによりenhanceされると思われる。

ヒトの横断的・前向きコホート研究にて、喘息の中等度の頻度・有病率の包括的増加が肥満で認められたが、BMIは喘息の重症度の有意な因子ではなかった。

大規模コホートにて肥満・喘息の関係研究にて、自己報告にて喘息の診断とされた場合、肥満による肺機能の変化が合併しており、それが呼吸苦や他の呼吸器症状をもたらす。しかし、心理的なクライテリアを満たすわけではないという状態が存在する。

最近の研究では、2つの疾患の遺伝的要因に研究が進められ、喘息に関わる1つ以上のencoding receptorを含む染色体領域 5q、 6p、 11q13、 12qの特異的領域のpolymorphismが同定され、β2アドレナリン作動性受容体ADRB2と糖質コルチコイド受容体 NR3C1を含むものである。



肥満は、女性では喘息の頻度を増加させるが、男性ではそうでない
American Journal of Epidemiology Vol. 155, No. 3 : 191-197

Leptinとは関連しない
Thorax 2006;61:300-305

by internalmedicine | 2006-07-06 17:24 | 呼吸器系  

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