ロタウィルス感染症に抗菌剤(nitazoxanide)有効
2006年 07月 08日
niazoxanide suspension3日投与は、Cryptosporidium属による、HIV感染のない重度栄養不良の小児患者の死亡率減少が示され、in-vitroで、広範囲のウィルスの複製予防効果が示された。慢性B型・C型肝炎に対する研究があり、細胞培養にて広範囲の腸炎起炎病原因子による下痢に対して使われるのでrotavirusに対して有効性を証明。この治験からなされた研究
Effect of nitazoxanide for treatment of severe rotavirus diarrhoea: randomised double-blind placebo-controlled trial
The Lancet 2006; 368:124-129
症状消失時間中央値は31(IQR 22-73)時間で、対照は75(51-124)時間(p=0.0137)
Rotavirusは世界中で、若年児において脱水を伴う下痢・胃腸炎としてもっとも多い原因
推定500万人、特に貧国に多い。途上国においては5歳未満の40人に一人がrotavirus下痢にて入院
医学的・社会的コストは推定100億ドル
経口補液や水分・電解質管理がプライマリ治療としてrotavirus胃腸炎にて有効
Racedotril、enkephalinase inhibitorが、腸管の過分泌抑制し、便量減少・下痢期間短縮したとのこと
probiotics利用により罹病期間短縮・rotavirus消失に効果があったとの報告
ヒトrotavirusによる過免疫牛colostrumはrotavirusによる子供の下痢の持続時間・重症度減少がみられる。rotavirus vaccinが1998年ライセンスされ、重積のリスクのため1年未満で取り下げられた経緯がある。
2つの新しいワクチンがライセンスされる予定とのこと
広汎なウィルスを含めた治療効果がniazoxanide suspensionにあるのなら、今後応用も広がりそうである。
by internalmedicine | 2006-07-08 11:46 | 感染症