女性の片頭痛は心血管疾患・卒中のリスク要因
2006年 07月 19日
Migraine and Risk of Cardiovascular Disease in Women
JAMA. 2006;296:283-291.
健康中年女性の前向き研究で、包括的・特異的な心血管疾患(CVD)リスクと相関があることが見いだされた。
片頭痛既往のある場合は、無い症例と比較してCVDリスク増加と関連すること
前兆ある片頭痛の存在はmajorな心血管疾患リスク、虚血性卒中、心筋梗塞、虚血性CVDによる死亡、冠動脈再開通術、増加と相関とのこと
片頭痛、特に前兆有りの場合、虚血性卒中リスク増加と関連するが、他の虚血性イベントとの関連は明瞭ではなかった。

片頭痛はコモンで、プライマリ・慢性の間欠的頭痛疾患であり、周期的な重症の頭痛、自律神経機能異常を伴い、時に、前兆(aura)を伴う一過性の神経学的所見がある。
1年で観察すると、USでは女性の約18%、男性の6%にあり、2800万人のアメリカ人が症状を有することとなる。
片頭痛特異的な心血管機能異常や虚血性卒中の頻度増加などが片頭痛が虚血性疾患のリスク要因であろうことが示唆されていた。前兆有りの片頭痛に於いて、prothromboticあるいはvasoactiveな要因も示唆され、心血管リスクも想定され、胸痛との関連した報告もあった。
生物学的な根拠としては、複雑であろう。prothrombotic、vasoactive factor、たとえば、factor V Leiden、serotonin、 von Willebrand factor、 endothelinなど
片頭痛時の血管作動性ニューロペプタイド放出は炎症反応刺激性に働き重要で、特に前兆有りの片頭痛で関連が深い。
methylenetetrahydrofolate reductase C677T genotypeは心血管イベントの重要な寄与因子であるホモシステイン値増加と関連があると推定されている。
by internalmedicine | 2006-07-19 14:59 | 動脈硬化/循環器