酸素入りの水


あまりのばかばかしさに、コメントする必要もないと思うのだが・・・

酸素入りの水が人気、でも「飲む」とどうなるの?
2006年08月02日10時44分

新聞記者・・・実はすでに結論を出しているようだが・・・馬鹿みたいとは書けないのがスポンサーを気にする新聞社の悲しいところか?
「健康によい」とうたう「水」商品に詳しい杏林大学の平岡厚・講師によると、酸素が水に溶けたまま腸に届けば、腸から吸収されて酸素の運び屋ヘモグロビンと結びつくことはあり得る。 しかし酸素はもともと水に溶けにくい。ある酸素入り水500ミリリットル中の酸素は30ミリグラムほどで、これは成人男性の呼吸1回で肺に入る酸素の約5分の1の量にすぎない。」

大手メーカーは「当社は、宣伝で具体的な効果・効能はうたっていない。リフレッシュ気分を味わってほしい」


どっちにしろ論理破綻している話なんで・・・こういう製品を売る会社というのは、酸素バーなどの商売をしている会社と同様・・・他製品も眉に唾をつけて買わないと駄目ですよ・・・と自らいっているのと同じ。そういやぁ・・・ESPER・ソニーというのもあったなぁ・・・



1)“欧州の医学専門誌に01年、ウサギの実験で酸素が腸管から吸収されたという論文”
2)“酸素入りの水で、筋肉疲労の目安となる乳酸値が下がったという論文”
というのが気になる・・・


1)に関しては、具体的論文を上げてもらいたいが・・・おそらくその意味もないであろう・・・誤用か、状況の違う論文名を上げてのミスリーディング

腸管から酸素吸収(毛細血管における還元ヘモグロビンの酸素結合)というのはあるかもしれないが、仮にあったとしても、腸管というのは元々空気だらけなので意味がない。

おなら=おなかのガス成分:10%程度の酸素を有するとのこと。

酸素分圧が76mmHgほどあるところで、酸素溶解度(温度40℃で0.023 cm3/cm3)めいっぱいでも、逆に、摂取水分の方が酸素濃度勾配が低く、新たに体内へ吸収するということは起こりえないだろう。


2) かつて酸素バー批判を行ったときに、某一流会社が用意していた論文は学生を使った実験で、厳格なプラセボを使用していない実験で、再現性も証明されてないものであった。第一、乳酸シャトル全盛時代に・・・“筋肉疲労の目安となる乳酸値”というのは・・・私は馬鹿ですというようなものだ

So, is La– an anaerobic metabolite? Yes, in the presence of anoxia; but La– is also an hypoxic metabolite in the presence of dysoxia, and an aerobic metabolite in the presence of an adequate O2 supply and utilization of glucose or glycogen as a fuel.(J Physiol 558.1 pp 5-30)



何にしても、こういう酸素“水”商売に関わると、馬鹿呼ばわりされ、信用を失ってしまう、企業も個人も・・・


呼吸の基礎知識、たとえば、気相‐液相、酸素溶解度、ヘモグロビンとの結合関係などの物理・化学知識、肺胞呼吸の構造などなく、空想上の理論を、商売に結びつけること自体が、Quackeryの特徴

まだ、廃れない、酸素バー:FDAなども特に香り付きの酸素などに強い関心があるとの表明、無益性・有害性を示唆
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 ・長期酸素投与が必要な患者さんたちがいるが、それ以外の人には不要
 ・酸素投与にて呼吸抑制を生じる人たちがいる
 ・芳香剤を添加しているところがあり、肺への炎症(リポイド肺炎)やアレ
  ルゲンとして作用する可能性
 ・たばこの火からの引火
 ・酸素ボンベの取り扱いの難しさ
 ・スポーツでの使用も偽薬効果で、空気の吸入と効果に違いはない
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by internalmedicine | 2006-08-02 18:12 | Quack  

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