アルコール痴呆・・・アルコールは脳神経再生阻害する

アルコールの動脈硬化抑制を強調され、アルコール依存に関する危険性の啓蒙が少なすぎるのではないかと思う昨今。

アルコール痴呆
というのは、Korsakoff症候群(参考URL)とは異なる痴呆のようです。
併せて、アルコール関連痴呆)という場合もある。

アルコールの直接作用として海馬領域のアセチルコリンの放出を促進する可能性はあるが、
しかし量がすぎるとアセチルコリン産生を抑制というメカニズムで説明されています。新たに以下のような直接、神経幹細胞・前駆細胞増殖抑制に働く知見が発表されております。要するに再生されない。

Chronic ethanol consumption transiently reduces adult neural progenitor cell proliferation
Brain Research Volume 1011, Issue 1 , 11 June 2004, Pages 94-98
アルコールの慢性摂取は、脳室上衣下部分や顆粒細胞下帯 subgranular zone (SGZ) の神経幹・前駆細胞増生を抑制を生じる。(記憶形成の鍵を握る副嗅球の顆粒細胞は脳室下帯に存在する神経幹細胞から分化した新しい細胞と入れ替っています。)
このエタノール飲酒による一過性の増殖抑制を生じる。3日で抑制を認め、10-30日で回復する。栄養学的にバランスはとられている上での研究

以前神経細胞というのは再生されないという・・・のでしたが、どうももうちょっとダイナミックな動きをしているのか?

<専門外医師の戯れ言>


高名なクリーブランド・クリニックの教育的な冊子を意訳すれば“1日1杯酒は百薬の長ではない”?
 ↓
http://www.ccjm.org/pdffiles/Lieber1103.pdf
要するに、適量なアルコールが良いと言われるが、それを積極的に示唆する大規模なデータは存在しない。
アルコール以外の要因が今までの研究でしっかり除外できておらず、適量?のアルコールが非習慣性のアルコール摂取に勝る確たる証拠はない。HDLの一つの分画は増やすが、それが抗動脈硬化作用なのか不明など



例え、動脈硬化にはならなくても、飲み過ぎると馬鹿になるぞと、酒飲みのおっさんにはいった方が正しい・・・?


どこかの馬鹿(栄養大学の先生方に多い!)が“very little else - no vitamins, minerals or other micro-nutrients like phyto-chemicals (plant nutrients)”を“calory empty”と勘違いして、“実は、ビールなどのアルコールのカロリーは「エンプティカロリー」と呼ばれ、熱として放出する以外役に立たないエネルギー”などとしたり顔で講演したり、記述しているのをみると如何に世間にアホが多いかということが・・・
この他にもGoogle検索すれば・・いくらでも嘘だとわかります。
嘘を書いているURL一覧


こういう馬鹿どもは以下のURLを読むことを勧める
 ↓
Normal metabolism of ethanol involves oxidation to acetic acid, conversion to acetyl CoA and processing in the usual mitochondrial respiration. Alcohol is thus a source of energy


栄養学の教授って、どうしてこんなに馬鹿が多いんだろ?
おそらく、優秀な教授とはテレビでお話せずに、研究室で黙々と研究、学生にまっとうなことを講義して、まともな学会で発表、論文作成にいそがしいから・・・馬鹿がめだつのかもしれない

by internalmedicine | 2004-06-08 18:23 | 内科全般  

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