非英語のため、埋もれた知見:禁煙治療 cytisine
2006年 08月 15日
Cytisineというのは、毒性のpyridine様アルカロイドで、ニコチンと類似作用を有する、大量投与により呼吸器系へ影響を及ぼし、死にいたる可能性がある。
isoquinolineやquinoline摂取により消化器刺激症状は一般的で、嘔吐を催すことも、摂取後45分後から4時間で上記症状は生じ、中枢神経症状、意識混濁、易疲労、平衡機能障害、筋の痙縮、痙攣、昏睡、散瞳が生じる。(eMedicine 植物毒性、アルカロイド IsoquinolineやQuinoline)
ラバーナム(laburnum)やmescal bean、ルーピンなど、クララという植物に含まれるようである。
東ヨーロッパでは、タバコ依存に対する治療として、このcytisineを40年間用いてきていたとのこと、英語論文で発表されてないため、気づかれずにいた。
Cytisine for Smoking Cessation
A Literature Review and a Meta-analysis
Arch Intern Med. 2006;166:1553-1559.
対象論文:10の研究、4つの対照治験を含め
ブルガリアの薬剤Tabexを用いた9つの研究、1つのロシアの研究にて、cytisine 1.5mg、cytisine0.75mg+0.7gmganabasineの口腔フィルム
cytisine4404名、対照3518の喫煙者を対象。
3から8週pooled odds ratioは、1.93(95%CI 1.21-3.06)
2つのプラセボ二重盲検では、3-6ヶ月後pooled odds ratioは1.83(95%CI 1.12-2.99)
1つのプラセボ二重盲検では、2年後1.77(95%CI 1.29-2.43)
いくつかの副作用報告がある。
多くのトライアルで、poor qualityである。
漢方なども同様に埋もれていると思うのだが・・・改めて、メタアナリシスなど徹底的に行うべきでは?
蛇足だが、このルーピン、私のところの近くに、役人主導的に観光的に植えている。この有害性に関して全くアナウンスされてないのだが、大丈夫なのだろうか?
by internalmedicine | 2006-08-15 09:08 | 医療一般