ニトロソアミンと関連食品摂取と胃癌・食道癌の関係


あくまで、私見だが、
狂牛病・vCJDなど
だけではなく、食に絶対の安全はありえないと思う。食べることは、生存の糧であると同時に、リスクを賭すことなのであろう。ものをたべるということは殺生をすること・・・人間は他の動物の命と引き替えに生きながらえている・・・そういう原罪があるのである。
・・・>このまま、仮説に仮説を重ねれば、宗教になりそうなのでやめる・・・





ニヒリスティックになってしまうが・・・以下のニトロソアミン関連のことも念頭に置きながら、食を考えてみるべきであろう。


ニトロソアミンと関連食品摂取と胃癌・食道癌の関係
Nitrosamine and related food intake and gastric and oesophageal cancer risk: a systematic review of the epidemiological evidence.
World J Gastroenterol. 2006 Jul 21;12(27):4296-303.
1985-2005年のコホート・症例対照のレビュー、nitrosamineとnitrite摂取、関連食品と、胃癌・食道癌との相関研究

症例対照研究のエビデンスではnitriteとnitrosamin摂取とGC(胃癌)との関連は指示されるが、OC(食道癌)との関連エビデンスは不十分
症例対照研究の多く(GGで11/16、OCで11/18)で、肉摂取と両腫瘍との陽性の相関がみられ、加工肉とGC・OCリスクの陽性の相関関係を指示する(GCで10/14、OCで8/9)
ほとんどすべての症例対照研究で保存魚・野菜、燻製食品摂取とGCの有意な関係がみられる。
OCに関するエビデンスは限定的。
コホート研究のほとんどすべては、症例対照研究より不十分か、ばらばらの研究結果
結論としては、エビデンスによればnitriteとnitrosamineとGC、肉・加工肉摂取とGC・OCとの相関、保存魚・野菜・燻製食品とGCの関連はあるが、結論づけられない状態。



序文から
N-nitroso-compounds(NOCs)は食事、タバコ、職場、飲料水からも暴露される。加工肉製品・燻製食品、ビール・ウィスキーなどのモルト由来成分添加乾燥食品、漬け物・塩づけ食品などが内因性のNOCs由来源となりえる。西洋のものより、アジアの食品に多く含まれる。
ニトロソアミンはnitrate(硝酸塩)とnitrite(亜硝酸塩)であり、その摂取量はここ20年間減少傾向にある。しかし、加工肉食品においては保存のため多くのニトソアミンが多く存在することとなる。野菜、水も、硝酸塩源であり、胃酸触媒反応物によりNOへ変化し、アミンやアミド類のnitrosating agentとして働き、NOCを形成する。
慢性の炎症状態で、nitrosating agentsが過剰産生される状態にある。
また、糞便中の内因性NOCの増加とred meatの摂取量は相関し、white meatの相関はない。
2つの重要な、ニトロサミン、すなわち、 N-nitrosodiethylamine (NDEA)、 N-nitrosodimethylamine (NDMA)は人間にとって発ガン性ありとIARCで分類されている(http://monographs.iarc.fr)。



たとえば、肉の赤い部分はヘム成分が関与。ヘムは腸内でのバクテリア繁殖を促進し、N-nitroso化合物(NOCs)と呼ばれる化学物質を産生へと関連([ Carcinogenesis. 1996 Mar;17(3):515-23.]、[Cancer Research 63, 2358-2360, May 15, 2003])。腸の細胞直接障害、細胞分裂が盛んになり、癌への進展関与示唆。white meatよりred meatが癌リスクが高い理由の一つともなっている。[Nutrition. 2004 Oct;20(10):873-7.](野菜のchlorophyllにて阻害される可能性[Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2006 Apr;15(4):717-25.])

高温での調理、フライやバーベキューは、heterocyclic amineと呼ばれる化学物質を発生([Carcinogenesis. 1995 Jan;16(1):39-52.]、[Mutat Res. 1997 May 12;376(1-2):53-60.]、[Cancer Research 65, 8034-8041, September 1, 2005)


この論文の問題点は、リスク比など定量的なプレゼンテーションができてないことと思う。出版バイアス関係の検討がなされていない。Systemic Reviewの形をなしていないことが非常に気になる。
・・・1-5倍程度のばらつきがあるとはいえ、pooled risk比は出せるはずだと思うのだが・・・

by internalmedicine | 2006-08-18 11:25 | 医療一般  

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