中国の3問題:間接喫煙・出生問題・HBO(低酸素脳症)

昨日のBMJは、中国特集?

間接喫煙に関しては夫の影響ということと、職場の影響が明確化されて、参考になる報告だと思う。後2題は、中国らしい報告であった。


・中国女性の間接喫煙の前向きコホート研究:死亡リスク・癌、特に肺がんリスク増大:
BMJ 2006;333:376 (19 August),

環境喫煙による冠動脈疾患・肺がんの超過リスクは15-35%であるが、今回の論文で、夫のタバコの影響で全原因死亡率増加・心血管疾患による死亡率増加、職場のタバコにより、癌による死亡率増加、特に肺がんに関して増加する。



・低酸素脳症に高圧酸素療法:BMJ 2006;333:374 (19 August):方法論がpoorであり、CONSORT standardsに準拠していない。


・・・しかしながら、
酸素は活性酸素種 ROS(reactive oxygen)産生と、膜脂質の過酸化を通して、組織障害を生じる。新生児では、肺異形成(BPD:bronchopulmonary dysplasia)、肺線維症、網膜の血管収縮後閉塞、再疎通、網膜収縮(未熟児網膜症:retinopathy of prematurity)に注意。蘇生時には酸素濃度を最小限にする努力がなされるべきa>
ということを


・中国の子作り事情:
BMJ 2006;333:371-373 (19 August),
:男女比が1.11(1980年代)→1.23 というのは異常すぎないか?
通常の男女比は、1.03~1.07であり、中国では都市部・郡部とも異常な男女比である。都市部は一人っ子政策が浸透しているが、郡部は見届けが多い。1番目の子供が女の子であった場合は2番目の男の子まで許容することもある。都市部の男女選択は、性別堕胎が主と推定。
・・・人権的問題を匂わせている。

by internalmedicine | 2006-08-19 11:06 | 医療一般  

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