療養病床難民 医療崩壊第1章
2006年 08月 22日
患者や家族へのしわ寄せは-。国会で6月に成立した医療制度改革関連法は、慢性病などを抱えた高齢者が長期に入院する療養病床の大幅削減を盛り込んだ。医療の必要度が低いのに家庭の事情などで入院し続ける患者を減らして、医療費を抑制するのが狙い。7月からはこうした入院患者への診療報酬も大幅に引き下げられたため、収益が悪化しての閉院や入院の制限などで退院を迫られる患者が出始めた。受け皿は整備されるのか。06/08/09 記事:共同通信社
以上の記事は、あくまでも利用者側からの視点だが、医療提供者側からみればもっと悲惨な状況である。すなわち、減床・廃院視野に医療機関が動いているのである。
“医療の必要度などで5段階に分けられ、病状が安定していて医療の必要度が低い入院患者に対しては4割近くも引き下げ”・・・というごまかしを行っているが、医療必要度と人的・物的コストの評価があまりに不当であり、安定化した担癌患者や難治性疾患患者などのケア困難となっている。現実離れした施策誘導のため、医療機関側はギブアップし始めているのである。病気になったときに入院するベッドが無くなる。それは都市部・郡部・離島僻地とも同じ。・・・これほどの悪政があるのだろうか?
前例がある。介護保険における介護度の認定は当初、ケア時間に応じた分類(それも正当に定量化されているか非常に疑問)であったが、前回の改訂で、恣意性に満ちた介護度I潰しにより、その科学性も全く損なわれている。医療制度改定のたびに、利用者の便宜性を損ない続け、利用者負担を増やし、さらに医療機関の存亡を顧みずして、科学性に基づかない、机上の空論だけで馬鹿な施策をつづける官僚・政治家たち・・・背後に社会資源を産業界に向けさせようとする経済団体及びその腰巾着政治家の存在
国民たちは、こいつらに、馬鹿にされ続けているということに気づくべき
厚労省の医療施設動態調査によると、病院の療養病床は5月末時点で35万6548床となり、3ヵ月連続で減少。一方で、一般病床は前月より1521床増えており、「医療区分1」の低い診療報酬設定などを嫌って、全国的に療養病床から一般病床への転換が起きている(地域医師会FAXから)
本格的な療養型病床の減少・病床数減少は7月以降であったものと思われる。
。厚労省は「診療報酬上、長期療養となる医療を続けていて一般病床として成り立つ設定にはなっていない」として、転換するには十分な検討が必要になるとの認識だそうで、“療養型からの転換”=“病床消失”を示唆しているとのこと。
知る限り多くの病院・診療所で一般型への転換がなされ、地域保健計画も崩壊の危機に瀕し、各医療機関の動きにあわてている厚労省の役人という印象を持つ。
厚労省は今月、全国5つの地域ブロックごとに、療養病床の再編についての意見交換会を開催。意見交換会では都道府県担当者から、「一般病床への転換相談が多数きている」(宮崎)、「一般病床への転換を想定する医療機関が多い」(関東信越ブロック)などと、転換を探る動きが広がっているとの報告が相次いだ。「療養から一般への転換傾向を制限する方法はあるか」(岩手)との指摘に対し厚労省は席上、「転換相談が寄せられた場合には、地域でどのような医療をやっていこうと考えているかを医療機関に問う必要がある」との考えを伝えた。
医療崩壊まっしぐら・・・
経過処置である、介護病床への転換に関しては、現時点では、介護ベッド数制限を超えた転換不可能であるとの説明があったそうである。・・・まったく時限的に消滅する可能性のある経過処置病床となり、きわめて不安定な制度の上にあり、役人にすべてが任されているのである。
役人の、思いつきで、変わっていく医療・介護制度・・・長期的展望なんて無い
“介護保険制度を走りながらつくってきた”上に、さらに、行き当たりばったりの行政
by internalmedicine | 2006-08-22 08:52 | くそ役人