ウェストヒップ比とテストステロンの季節性変動

そもそも、唾液テストステロン値の信頼性は、どうなのだろうか・・・“biosocial models of testosterone--behavior relationships” ということで、非観血的なため、医療関係者以外も測定しやすいため日本で多くの報告があるようであるが、保存方法や性別、血中濃度や組織以降など多くの要因が関わるので解釈には細心の注意が必要なようである((Psychoneuroendocrinology. 2004 Nov;29(10):1229-40.)。
・・・まぁ・・・話としてはおもしろいのだろうが・・・はたして?


唾液テストステロン測定による季節性変動が、女性のウェストヒップ比とマッチして変化しているとのこと
動物実験では重要性が見いだされている、テストステロンの季節変動とその関連はヒト特に女性ではあまり明らかにされてない。

220名の女性と127名の男性で、秋や夏に男女ともテストステロン値が増加する。
女性・男性ともテストステロンは秋に最高値
女性のWHRはテストステロンの季節性変動にマッチし、秋と夏に高くなる。

テストステロンは季節性に変動し、行動・認知・体的季節変動と関連する。
Psychoneuroendocrinology
Volume 31, Issue 7 , August 2006, Pages 895-899



以前の報告でも、ウェストヒップ比は閉経前女性に於いて、bioavailable testosterone(Free & Bioavailable Testosterone calculator)に正相関し、性欲に逆比例する(Psychosomatic Medicine 67:246-250 (2005))とのこと



メタボリックシンドロームというのは、介入により心血管イベント・アウトカムへの効果があらわれるのだろうか?そして、そのインパクトはどの程度なのだろうか?

ここにきて、先天的な要因、好気的運動能力そのものが心血管リスクとなる可能性が示唆されている論文が発表されている。
11世代以降、メタボリックシンドロームを構成する心血管リスク要因をもつ、好気的能力の低いラットが確立。
好気的運動能の減少は、骨格筋内の、ミトコンドリアのbiogenesisの要求するtranscription factor総量を減少し、酸化酵素の総量減少。
ミトコンドリア機能の障害は、心血管・代謝疾患のfitnessの減少と関連Science 21 January 2005:Vol. 307. no. 5708, pp. 418 - 420



骨格筋のoxidative phosphorylation genes((OXPHOS) (Nat Genet. 2003 Jul;34(3):267-73.)などの関与

ミトコンドリア機能とテストステロン、インスリン感受性などの関連が報告(Diabetes Care 28:1636-1642, 2005)
テストステロン値がインスリン感受性と正相関(r=0.4 P<0.005)し、低ゴナドトロピン値ではBMI>25 kg/m2、メタボリックシンドローム頻度増加
があり、さらに、テストステロン投与にて低ゴナドトロピン状態の2型糖尿病男性患者で、インスリン抵抗性改善させたという報告(European Journal of Endocrinology, Vol 154, Issue 6, 899-906)がある。

by internalmedicine | 2006-08-23 10:48 | 動脈硬化/循環器  

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