BMIは冠動脈疾患二次予防の予後因子とは成り得ない

私は以下の論文と、前回の論文を自分なりに解釈に迷ってる。

LancetとNEJMのBMIと死亡率関連論文があいついで報告されている。
二次予防的なLancet論文と、住民ベースのNEJMの報告である。
文字通りとれば、二次予防に体重コントロールの重要性が低い報告になってしまいそうであり、住民レベルでは非喫煙者ほど体重コントロールが重要となるという話になってしまう。みなさんはいかがお考えになるだろうか?
私は、Lancet論文の考察の“内臓脂肪の関わりが、BMIでは明確にあらわれないため”と考えるのは少々うがちすぎのような印象をもつのだが・・・


◆ The Lancet 2006; 368:666-678
“過体重(overweight)や軽度肥満の心血管・総原因死亡率は補正関連因子により説明出来ない良好なアウトカムの可能性がある。この知見により、体脂肪やlean massによる影響をBMIでは判別できないことによるのだ”と主張している。

対象は、OVID/MEDLINE electronic database(1966 ~ 2005年12月まで)で、CAD(定義はPCI、CABG、MIの既往)確立したもの

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死亡リスク比(右上:全グループ、左上:MIグループ、右下:PCIグループ、左下:CABGサブグループ 青色補正後


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◆ (NIH-AARPコホート):一応米国の地理的ばらつきを考慮した住民調査(California, Florida, Louisiana, New Jersey, North Carolina, and Pennsylvania) とtwo metropolitan areas (Atlanta and Detroit)

NEJM Volume 355:763-778 August 24, 2006 Number 8
体重増加と寿命:overweight(過体重)も寿命短縮
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by internalmedicine | 2006-08-28 15:45 | 動脈硬化/循環器  

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