医療はBaysian推定から成り立つのだ・・・

医者は信用せず、CTやMRなどは信用する昨今の患者さんたち。
法曹界は、矮小な確率でさえ、患者・家族に説明し、理解してもらえなければ莫大な損害賠償をはらえという(米ではサイン至上主義で、理解してないのにサインした方が悪いという立場なのに・・・)。医者に超人的な努力・能力を義務づけているのである。

そのため、医療においては、ちょっとした頭痛でも、専門医受診、CT・MRなど画像診断のオンパレード・・・かくして医療費高騰(・・・>それも医者が悪いとメディアはのたまわれる。)

医療という形態は受診する側も診察する側も知ってしらずか、Baysian推定からなりたっている・・・あまねくこ、この原理を理解して頂きたいのだが、結果論と感情論のオンパレード(日曜夕刻のTBS系の番組で、数十名の医者にみてもらい、やっとなっとくできる診断してもらったという交通外傷患者がいて、その番組は、医者が馬鹿だからという結論を導き出していた。大多数の医者がCT上異常なしと判断したらその方が正しいと判断するのがふつうだと思うのだが・・・それさえ吹き飛ばす、感情論至上主義)




以下の論文は、所見さえ正常なら、即座にCT撮っても撮らなくても変わらないですよというのだが、まぁ日本じゃ無理だわな・・・(日本の法曹界は理論が通じなくなって、感情だけで判断されてるし、批判したら侮辱罪とかいわれて批判さえ許されない世の中・・・三権分立が機能してない日本の制度疲労と私は思うのだが・・・)

Medical outcome after immediate computed tomography or admission for observation in patients with mild head injury: randomised controlled trial
BMJ 2006;333:465 (2 September)
スウェーデンの39の急性期病院での頭部外傷ですぐにCTをとるべきか、経過をみてもよいか?の研究
OCTOPUS Study Investigation
軽症の定義:ED受診時、意識障害もしくは健忘のない、正常な神経学的所見(正常の瞳孔反射、感覚、反射、運動試験の反応)、GCS=15

3ヶ月後完全回復しない症例:
CT群:275(21.4%)
非CT群:300(24.2%)

非劣性限界-2.8%で、CT良好という仮説はが有意にでない(-6.1%~0.6%)

最悪のアウトカムである死亡、重症の機能喪失では両群とも同等。

観察のための入院群で、手術必要なケースでのdelayは存在した。

正常の所見で、その場でCT所見正常である患者ではその後合併症は無かった。
患者満足度は2つの戦略とも同様であった。




この論文と若干趣旨が違うのだが、池田先生の意識障害患者へのよりプラクティカルな対応に関する研究は画期的だとおもう。

by internalmedicine | 2006-09-02 09:27 | 医療一般  

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