糖尿病性神経障害にエリスロポイエチンという発想・・good ideaらしい

出典:NEJM Volume 350:2516-2517 June 10, 2004 Number 24


神経細胞がエリスロポイエチン受容体を有し、神経システムで作られ、神経防御的に働く。損傷からのダメージを回復し、それは酸化ストレスやnitrosative stress(参考:NOは,反応性の高い活性窒素種(RNS)を派生し,普遍的に細胞毒素をもたらすことが明らかになってきた。したがってRNSは活性酸素と同様に細胞や生体にとっては両刃の剣であり,RNSによりもたらされるストレスはNitrosative stressとよばれている)を含むダメージであり、脳虚血(卒中)、脊髄・末梢神経障害、実験的な自己免疫性の脳脊髄炎(多発性硬化症のモデルのひとつ)、HIVに伴うニューロンの障害、網膜障害のことまで含んでいる。さらに、臨床第1・2相トライアルはエリスロポイエチンが脳卒中の神経ダメージを回復する可能性が示された。


ラットの実験で糖尿病神経障害におけるエリスロポイエチンの予防効果が示唆。
糖尿病性神経障害は、疼痛性の神経障害、主に疼痛だけでなく異常知覚や神経損傷をしめす場合もある。Bianchiらは腹腔内エリスロポイエチン10週投与で、神経伝達速度、Na+,K+-ATPase activity (糖尿病性神経障害の異常と関連する生化学的異常)、compound-muscle action potentials、 nociception (pain thresholds)、皮膚神経線維減少の予防と回復の可能性がラットの実験で示唆。

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動物実験で、糖尿病モデルではアポトーシスが、dorsal-root ganglionニューロンや神経axonをカバーするミエリン鞘を産生するSchwann細胞の喪失の原因となる。加えて、生化学的変化、酸化ストレス、微小血管の変化、炎症が神経細胞死だけでなく、神経機能の異常を来すこととなる。エリスロポイエチンが広範な働きでこのプロセスに対して予防的となる。末梢神経・中枢神経ともに、エリスロポイエチン受容体の活性化が神経防御的経路のトリガーとなるというエビデンスが蓄積されている、たとえばphosphoinositide 3 kinase–Akt (protein kinase B) cascade、NF-κB経路表出、Bcl-xLのような抗アポトーシスぺつちどの活性化、superoxide dismutaseといった抗酸化酵素など
加えて、エリスロポイエチンはneural progenitor cellを増殖を増し、成人神経システムでさえ神経のgenerationを導く。
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おもしろくない というひとは、医学や生物学に無縁なひと?

以前は赤血球系のターミナル・サイトカインといわれてたわけで・・・これもずいぶん崩れてきましたねえ。ラベリングは無用な概念の混乱をもたらす・・・

by internalmedicine | 2004-06-11 09:42 | 動脈硬化/循環器  

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