ヘッドギアしてもボクシングは頭に悪い

別にボクシングに恨みはないのだが・・・このスポーツに対しては、かなり風向きはわるい。

文明国ではボクシングは追放されなければならない(http://intmed.exblog.jp/2193952/)という主張をみていただくとわかるのだが、かなり前から米国医師会はこのスポーツに対して中止へ強い要求を行っている。



以下の論文はヘッドギアで防御されたアマチュアのボクシングの結果である。その結果でもニューロン・星状膠細胞への障害の証拠が見いだされている。
Neurochemical Aftermath of Amateur Boxing
Arch Neurol. 2006;63:1277-1280.
14名のアマチュア・ボクサー(11名男性、3名女性)
10名の非アスリート対照

試合後7-10日と3ヵ月後検査

Neurofilament light protein
total tau
glial fibrillary acidic protein
phosphorylated tau
beta-amyloid protein 1-40 (Abeta[1-40])
1-42 (Abeta[1-42])



試合後とボクシング後安静3ヵ月後を比較
・ニューロン・軸策のマーカー2つで増加
neurofilament light protein(mean ± SD, 845 ± 1140 ng/L vs 208 ± 108 ng/L; P = .008)
total tau (mean ± SD, 449 ± 176 ng/L vs 306 ± 78 ng/L; P = .006)

・星状膠細胞障害マーカーであるglial fibrillary acidic proteinも増加
(mean ± SD, 541 ± 199 ng/L vs 405 ± 138 ng/L; P = .003)


頭部へ多くのヒットをうけた(>15)ボクサーほど、強いインパクトを受けたボクサーほど有意に増加

総tau量ではないが、neurofilament light proteinとglial fibrillary acidic proteinは非アスリート対照群と比べて有意に増加
neurofilament light proteinを除いて、3ヶ月間安静ボクサーと非アスリート対照群は相違なし

結論として、アマチュアボクシングは急性のニューロン・星状膠細胞障害と関連。
臨床的アウトカムに関連する広範なフォローアップを行う長軸調査がなされるなら、脳脊髄液の分析が役立つだろう。



やっぱり、頭をつかうスポーツは頭が悪くなる?
http://intmed.exblog.jp/263552/

by internalmedicine | 2006-09-12 14:34 | 運動系  

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