緑茶による動脈硬化疾患関連死亡率減少

これって、緑茶により発ガン抑制作用認めず・・・って表題だとしたら・・・

大崎国保コホート研究からの業績らしい・・・緑茶消費により全原因死亡率・心血管疾患死亡率で逆相関とのこと

ただ、男女でのその効果に差があり、その理由は、喫煙習慣による修飾している可能性があるとのこと。また、dose-responseは用量依存的でなく、閾値効果を示すパターンであり、その機序に関しては、一筋縄ではいかないだろう。
緑茶の予防効果は高血圧・肥満のような心血管リスクへの影響で説明できず、他の要因、緑茶ポリフェノールが広く研究され、特に、(-)-epicatechin-3-gallate (ECG)eのradical scavengingや抗酸化の関与がここでも考察されている。
紅茶やウーロン茶は死亡リスク減少効果が少ないか無く、緑茶に特異的な働きがあると主張してるが、日本人における消費量の偏りがそれを修飾、検討された対象者たちが、それから期待されるほどの消費量に至ってない可能性。同様機序で期待されるはずの発ガン予防効果がなかったことは疑問も・・・

Green Tea Consumption and Mortality Due to Cardiovascular Disease, Cancer, and All Causes in Japan
The Ohsaki Study
JAMA. 2006;296:1255-1265.
11年のフォローアップで、4209名の参加者、7年以上フォローアップ89.6%、心血管死892名
緑茶消費により全原因死亡率・心血管疾患死亡率で逆相関。

女性において特に全原因死亡との関連性が強かった。(P=.03 性別関連)

男性においては、多変量ハザード比は
1カップ/日・未満 :1(基準)
1から2カップ/日:0.93(95%CI 0.83-1.05)
3-4カップ/日:0.82(95%CI 0.70-0.95)
5カップ以上/日:0.88(95%CI 0.67-0.89)


女性では
1カップ/日・未満 :1(基準)
1から2カップ/日: 0.98 (95% CI, 0.84-1.15)
3-4カップ/日: 0.82 (95% CI, 0.70-0.95)
5カップ以上/日: 0.77 (95% CI, 0.67-0.89)


心血管疾患死亡率と逆相関は全原因死亡率より強い。特に女性においてその傾向がある(P=.08)。

女性において、心血管疾患多変量解析ハザード比

1から2カップ/日: 0.84 (95% CI, 0.63-1.12)
3-4カップ/日: 0.69 (95% CI, 0.52-0.93)
5カップ以上/日: 0.69 (95% CI, 0.53-0.90)(P=.004)


心血管疾患死亡率の中で、特に卒中死亡率に関して逆相関あり

反対に、癌死亡率は全緑茶摂取カテゴリーにおいて有意差なし





・熱いお茶は熱くないお茶に比べ食道癌リスク(RR): 1.6 (1.2-2.0)
Mortality risks of oesophageal cancer associated with hot tea, alcohol, tobacco and diet in Japan.
J Epidemiol. 1998 Oct;8(4):235-43.

in vitroでは萎縮性胃炎・癌予防を示唆するも、疫学的なエビデンスなし
Systematic review: green tea and gastrointestinal cancer risk.
Aliment Pharmacol Ther. 2004 Mar 1;19(5):497-510.

by internalmedicine | 2006-09-13 11:36 | Quack  

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