スタチンの自己免疫疾患と他の副作用の可能性
2004年 06月 12日
ことの真偽はわかりませんが、製薬会社からの医者への情報提供はかなりバイアスが加わってますので、薬剤の副作用可能性情報は重要だと思います。
あくまでBenefit・riskのバランスが実地医療では重要です。薬害オンブスパーソンのも偏ってると思う次第ですが・・
#日本人女性のスタチン処方、特に1次予防に関しては慎重に私はしております。
スタチンの自己免疫疾患と他の副作用の可能性
The Lancet Volume 363, Number 9425 12 June 2004
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ミオパチーとスタチンの副作用の一部は、selenoprotein合成の抑制による可能性を示唆。
この機序だと、さらなる重症の自己免疫系への影響が示唆。
20例以上の予期しない自己免疫疾患の報告がここ数年報告されている。多くはSLEだが、皮膚筋炎、自己免疫性肝炎、pemphigoidesも報告されている。1例では致死例。
通常の皮膚副作用と違い、月単位、ときには年さえ経過してからの発症である。薬剤中止後副作用は一般的には薬剤中止後改善するが、serologicalな疾患では必ずしもそうではない。
参考
スタチンとselenoprotein抑制はこのイベントを増強させる。
疫学的研究、臨床トライアルの知見でselenoprotein抑制が前立腺・直腸癌のリスクを上げる可能性が示唆。
参考
MoonannやBehlらの仮説が確定され、スタチンは自己免疫疾患の引き金だけでなく、ある種の癌の進展に寄与する。スタチンの長期使用に関してさらなる研究が必要。
by internalmedicine | 2004-06-12 10:42 | 動脈硬化/循環器