価格参照制度

現在の保険医療制度を正しく理解していればあり得ない主張である“薬が安価な分、利益が減るので当然使いたくないわけ”などと事実と異なる主張”を見たり、なにか医療に不具合が起きると、“医師会の陰謀”とほんとに信じ、発言する人たちがいるのには驚く。この「医師会の陰謀」というキーワードで検索してみるととてもおもしろい。

コップの中で足の引っ張り合いをする某集団の末端会員として見聞きするだけではそんな力はないし、老人たちの慈善活動・サロン活動であり、時にへんちくりんな行政に荷担させられているお人好し・世間知らず集団としか思えないのだが・・・・。個別利益を追求しまくっている経団連の方の陰謀の方が・・・(笑)

ジェネリック問題は、医師側は、製薬会社同士の利権争いの被害者なのだが、何かというと“医師会の陰謀”とかいわれているのはなんか落胆を通り越して滑稽ですらある。

各国とも、製薬会社に国際競争力をつけさせようとする産業界育成と医薬品コストの軽減という財政的事情という2つの政策の矛盾に陥っているのである。製薬産業育成と財政不安という2つのバランスをいかにとろうかとしている。経団連の主張は自己利益誘導型であり、規制改革・民間開放推進会議(pdf))などを利用したあからさまな行政の掌握が完了しているのである。

今の政治は、安倍だろうが、小泉だろうが、経団連の影響が大であることは自明である。経団連を悪者にしたテレビ放映は絶対に行わない(えない)だろう・・・なんせスポンサーを敵にまわすこととなるのだから・・・故に、悪者=医師会という構図がメディアには便利なのである。後発品に関しての政策も、医師会より彼らの意向が優先されている。
(安倍はフジテレビで「IT化で医療の無駄がなくなる」と語った orz)

'generic brands'は、ジェネリックという誤魔化した言い方でなく、“無印”と言うべきであろう。横文字を用いて高級化イメージを植え付けたコマーシャルメッセージを見る度に違和感を感じる。STT(ジェネリック大手)はまるでジェネリックをブランド化しようとし自己矛盾にみちた自己主張をしているのである。“無印良品”とでも名のればまだしも・・・

厚労省ご承認の「同一有効成分、同一投与方法、同一用法用量、同一効能効果」という安直な表現はジェネリック医薬品製造販売業者への強い追い風となってるのであろう。

日本でも、この「参照価格制度」「固定額」制度の導入は数年前議論になっていた。


ドイツで後発品普及が進んでいる理由はこの参照価格制度であり、その後問題点が生じていることと、フランスがなぜ断念したかが業界筋の主張(http://www.jpma.or.jp/jpmalib/f_f/f&f-07.html)があったようである。




オーストラリアの情報が書かれていた・・・(Editorial:Quality use of generic medicines Aust Prescr 2004;27:80-1)
オーストラリアの政策(Australia's National Medicines Policy)は、ヘルスアウトカムと経済性を最適化するため、ジェネリック薬品導入促進を決めた。
"benchmark brand"と呼ばれる「参照価格制度」は、PBS( Brand Premium Policy) subsidyと呼ばれるものである。
Brand Premium Policy (1990) とBrand Substitution Policy (1994)で、同様な医薬品でもそれぞれの価格を許すものであった。PBS subsidyはいわゆる"bench mark brand"で決定さえるものであり、患者自身がその価格差を負担しなければならないという制度である。



価格参照制度というのはブランドかノン・ブランドを患者自身が選択することとなる制度である。処方箋許可印はこの制度の布石とも読み取れる。
経団連の主張する調剤費用大幅減および処方箋複数回有効性とともに、調剤薬局・薬剤師への過大な負担も出現する。
患者自身にそれほどの正しい情報選択ができるのかはなはだ疑問だが、医師のパターナリズムを完全否定されている時代の流れなのだろう。

by internalmedicine | 2006-09-25 08:40 | 医療一般  

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