間質性肺炎の6分間歩行距離による予後推定
2006年 09月 25日
この疑問は酸素療法の保険適応を決めるときに感じていたのだが、療養病床の療養区分にて“安静時、睡眠時、運動負荷いずれかで動脈血酸素飽和度が90%以下となる状態であって、酸素療法下では動脈血酸素飽和度に応じて酸素投与量を適切に調整している状態”という留意点が明文化(pdf)されていることでさらに・・・
呼吸不全の定義は動脈中の酸素分圧だけできまるので、一応、最初は酸素なしの状況で評価されるわけだが、診断時だけなのでさほど問題ないのだが、酸素療法を評価は1日1回なのである。これは酸素を毎日外して確認しろということなのだろうか?
倫理的に問題あるとこれを決めた人は思わなかったのだろうか?
(想像緑の足りない役人にはよくあることだが・・・)
間質性肺炎の予後指標にて運動時の低酸素面積なるものが推定因子としてとりあげられたので、趣旨と関係なく・・・思いついた次第で・・・
Idiopathic Pulmonary Fibrosis
Prognostic Value of Changes in Physiology and Six-Minute-Walk Test
(American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine Vol 174. pp. 803-809, (2006))
Rationale and Hypothesis:特発性肺線維症は様々な進行状況を呈する致死的疾患である。
6MWにおける歩行距離と酸素飽和度低下量とFVC・拡散能低下に関する予後情報
197名の患者を評価
生理学的な連続変化予後推定は、6MWT基礎値におけるSpO2<=88%の存在/非存在比率により層別化
6MWT間のSpO2<=88%患者の中で、もっとも強い死亡予後推定因子はDLCOの連続変化
6MWT間のSpO>88%において、連続FVC低下やそしてdesaturation areaの増加は死亡率推定となりえる。
しかし、歩行距離減少やDLCO低下は死亡率増加の統計学的なエビデンスとはなりえないほどである。
by internalmedicine | 2006-09-25 14:31 | 呼吸器系