抗凝固療法併用リスク


プラビックス錠(Clopidogrel sulfate)発売されて、ますます抗凝固治療に接することが多くなった。

抗凝固療法併用は上部消化管出血リスクを増加させるとのこと。このトライアル中も併用療法が425%も増加したとのこと

BMJ 2006;333:726 (7 October)
上部消化管出血を生じた補正オッズ比は
低用量アスピリン 1.8(95%CI 1.5-2.2)
clopidogrel 1.1(0.6-2.1)
dipyridamole 1.9(1.3-2.8)
vitamin K antagonists 1.8(1.3-2.4)

併用
clopidogrel+aspirin 7.4(3.5-15)
vitamin K antagonist+aspirin 5.3(2.9-9.5)
dipyridamole+aspirin 2.3(1.7-3.3)

他の併用療法は推定可能なほどの例数がなかった。

NNH(年)はclopidogrel+aspirin併用124に対し、clopidogrel単独では8800





BMJ誌は薬剤と消化管出血が取り上げられることが多い。
スピロノラクトン処方されている患者では胃潰瘍や上部消化管出血のリスク増加
Verhammeらは、523名の胃十二指腸潰瘍や上部消化管出血を対照5230にて比較したところ、胃腸イベント2.7倍のリスク増加と関連していることが判明
スピロノラクトンと潰瘍治療薬処方の用量依存性関係も報告されている。
BMJ 2006;333:330 (12 August)


1999年のSSRIが上部消化管出血と関連しているという横断研究調査結果
BMJ 1999;319:1106-1109 ( 23 October )
これは
SSRI使用者に異常出血増加し、セロトニン取り込み阻害活性の作用が強いほどリスクが増す。
(Arch Intern Med 2004;164:2367-70).
という報告もその後出現した。




一般的に、私が知る限り、SSRI、スピロノラクトンなどの出血リスクは医療情報担当者の情報はほとんどなされてないと思う。今回併用に関してもおそらくどの製薬会社がメインの責任であるか不明なので、真剣な情報提供は期待できない。
やはり、薬剤副作用情報というのは、医療関係者独自で入手する方法を考えなければならないのであろうか・・・

by internalmedicine | 2006-10-06 12:01 | 医療一般  

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