コーラは骨を溶かす？

「コーラを飲むと歯や骨が溶ける」という都市伝説（この言葉私は嫌いだが・・・）があるそうである。
しかも、「コーラを飲むと血液が酸性になり、骨が溶ける」とのこと、人間の生体内緩衝作用というのはそんなに弱いものだろうか・・・と、問い詰めたくなる。


Framingham骨粗鬆研究で、炭酸飲料全般には及ばなかったが、コーラ飲用による骨塩量減少を示唆する研究結果が発表された。

Colas, but not other carbonated beverages, are associated with low bone mineral density in older women: The Framingham Osteoporosis Study
American Journal of Clinical Nutrition, Vol. 84, No. 4, 936-942, October 2006>

ソフトドリンク飲料は骨塩密度（BMD)へ悪影響があるだろうと推定されるが、研究結果に関しては様々。
1413名の女性、1125名の男性で椎骨と大腿骨3カ所で測定
食事回数アンケートで評価

コーラ飲用は、大腿骨のBMD有意に減少し、椎体でのBMDは有意差がなかった。これは女性であり、男性では認めなかった。
毎日コーラ飲用にて大腿頸部3.7%、Ward領域5.4％(月1サービング未満飲用者との比較)



（Ward's triangle)

ダイエットコーラ、カフェイン抜きコーラでも同様、若干その低下作用は少ないが・・・

非コーラ炭酸飲料飲用とBMDとの相関は見られず、毎日コーラ飲用者でも、非飲用者に比べてリン摂取が多いとは言えない、しかし、カルシウム/リン比率は低かった。

USでは1日1200mgのカルシウム摂取を女性では推奨されているが、それより少なく、リン摂取が有意に高いというわけでもなかった。しかし、コーラ飲用群のカルシウム/リンヒ率が有意に少ないことが見いだされ、カルシウム摂取や牛乳や他の有用な飲料に変更することを推奨されるべきなのかもしれないとのこと。
野菜ジュースは少なかったが、総野菜・果物摂取としてはコーラ飲用群で必ずしも少ないとは言えなかったとのこと。リンの骨に対する潜在的影響に関する研究が今後必要とのこと。

Wikipediaにも、“コーラには酸味料として有機酸ではなく、燐酸が使われており、これが骨に悪影響を与える”とあるが、いまのところ正解にちかいのだろうか？