禁煙後の運動能力の急激な改善の理由

禁煙を行うとなぜ急激に運動能力が改善するのか?

たばこの急性変化の逆が起きているのではないかと仮定して、調べてみた。
古い報告しかみつからなかったが・・・

たばこの急性の影響
J Appl Physiol 58: 1975-1981, 1985;
安静時・運動時の動脈血
CO血中濃度測定

結果、
VO2max、AT値、VO2/HR (O2 pulse)、心拍、 pulse-pressure product、 pulse pressure増加 (P less than 0.05)
VD/VT、動脈血・end-tidal PCO2差の拡大

故に、喫煙の急性変化としては、心血管機能への影響、特に心拍増加、pulse-pressure productの増加、O2供給低下が見られる。
呼吸機能への影響はあまりなく、主に換気・還流ミスマッチによる影響に限られるようである。



一酸化炭素という要素が運動能力低下にどれほど関わっているか?
非喫煙群、喫煙、CO吸入の比較
喫煙、CO吸入により最大酸素摂取量(VO2 max)の減少7%
喫煙によりVO2 max耐容時間は20%減少するも、CO吸入は10%程度
喫煙時最大心拍低下、安静時心拍の増加が見られた。
最大運動時のピーク乳酸濃度(HLa)は喫煙後有意に減少。
喫煙時のVO2減少は血液へのCOの飽和による減少があり、血中の酸素化減少を生じるものもであるが、喫煙中の運動時間減少はそれに加え換気コストの増加によるものと考えられる。
Eur J Appl Physiol Occup Physiol. 1983;51(3):371-9.

by internalmedicine | 2006-10-11 09:33 | 呼吸器系  

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