妊娠中・出産時卒中





妊娠関連の卒中は稀だが、悲惨な悲劇をもたらす。
推定死亡率8-15%ということと、生存後も著明な・恒常的な障害をもたらす


900万退院につき調査
 卒中診断:10万回につき34回
  出産時:41%
  産後:48%
  産前11%

  虚血性:27%、出血性:25%
  妊娠関連心血管イベント:46%
  脳静脈性血栓:2%



 卒中関連死亡:10万あたり1.4
   
   年齢とともに卒中リスク増加、ただ、若年層(20歳未満)も20-34歳よりリスク増加、特に35歳を超えるとリスク急激に増加
Obstetrical & gynecological survey





妊娠は卒中のリスク要因として知られているが、アジア人でのリスクを記載している研究は比較的少ない。
1984-2002年において虚血性の卒中(IS)、脳内静脈血栓症(CVT)、脳内出血(ICH)、くも膜下出血(SAH)に分類し検討。
402名の女性卒中患者にて、49名が妊娠中あるいは産褥期で、IS:16、CVT:11、ICH:19、SAH:3
妊娠関連卒中は10万妊娠に対して45.2(95%CI 30.7-69.5)
妊娠第3期および産褥期が67%
73%が産褥期におけるCVT

78%で病因推定可能

・ICHの重要な疫学的原因:子癇が37%、動静脈奇形26%
・IS、CVT:リウマチ性心疾患(44%)、凝固障害(64%)

白人より台湾人は妊娠中・産褥期の卒中頻度が高いという結論、特に妊娠第3期および産褥期で、特にCVTが多い
Cerebrovascular Diseases 2004;18:290-295







妊娠中の神経疾患
Neurologic disorders in pregnancy.
・昏睡、けいれん:子癇、急性脂肪肝、羊水塞栓
・てんかんなどを基礎疾患として持つ患者は1/3で悪化、出産中の頻度はcommonn
・血行動態、血液量、ホルモン変化などで、動脈瘤や動静脈奇形による出血リスク増加
・CVTは産褥後頻度が多く、発展途上国で多い
・脳腫瘍が妊娠中拡大することもある(水分貯留やホルモンの変化による)
・マラリアや急性肝炎(劇症肝炎)も昏睡の原因となり、アジア・アフリカ・ラテンアメリカに多い
・重症筋無力症、Guillain-Barre症候群、脊髄疾患などによるII型呼吸不全悪化
・多発性硬化症の悪化は妊娠中頻度が少ないが、産褥後多い
Critical Care Medicine. Critical Illness of Pregnancy. 33(10) Supplement:S362-S371, October 2005.


by internalmedicine | 2006-10-18 12:07 | 医療一般  

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