SCAPE研究:ステントの非劣性は証明できず




he SPACE Collaborative Group
The Lancet - Vol. 368, Issue 9543, 07 October 2006, Pages 1239-12477


中等症から重症の有症状性の頚動脈狭窄&直近の虚血性イベントエピソードを持つ患者で、ガイドラインでは頸動脈内膜剥離術(CEA)を推奨している
しかし、形成術やステント(CAS)は人気のある代換となりつつあり増加している。
しかし、5つの小さなランダムトライアルのシステミック・レビューではendarterectomyやステントのアウトカムに有意な差は見られなかった
そして、“EVA-3S"ステントにより30日リスク有意に高いことが示されたためには早期にトライアル自体をストップされた。
“SPACE"トライアルは、ヨーロッパ研究者はCASがCEAよりnon-inferiorであることを確立するような独立した努力がなされた。
1183名をランダムに分け、全例180日以内の神経・眼症状発症、超音波にて少なくとも70%の同側性の頚動脈狭窄を有するケースで、14日以内にCASかCEAを行うようにした

プライマリアウトカム(治療後30日以内の同側性卒中・死亡)では有意差がない(6.8% for CAS vs. 6.3% for CEA).
ただ。事前の統計解析に従えば、非劣性は証明できなかった。
8つのセカンダリエンドポイントのうち6つで、CEA好成績という有意差のない傾向がみられた。

2005年Cochraneレビューでは、CEAと形成術とCAS比較において、頸動脈疾患において治療選択におけるCEA推奨から大幅に変更する”ことを支持しないというものであった。
SPACEで、8つのランダム研究となったが、12000ものサンプル数となり、次期レビューの改訂がなされるだろう。
SPACEは、非劣性、すなわち、頸動脈形成とステントがCEAより悪化させないという帰無仮説がたてられてなされたのである。これで有意差が見いだされなかったという結果で、この解釈は困難なものとなった。

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by internalmedicine | 2006-10-25 17:21 | 動脈硬化/循環器  

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