糖尿病患者のスタチン治療は肺炎リスクを抑制?
2006年 10月 29日
スタチン使用は、糖尿病患者の肺炎リスク減少に有益であり、心血管疾患リスク低下に加え、スタチンは気道感染予防効果も見られた。
Statin treatment and reduced risk of pneumonia in patients with diabetes
Thorax 2006;61:957-961
対照:糖尿病(1,2型)診断された患者1987年6月1日から2001年1月21日までのUK General Practice Research Databaseリスト患者、肺炎と初回診断された患者で調査
【結果】4719名の1.1%にスタチン処方、15322名のマッチさせた対照では2.1%で、粗オッズ比 0.51 (95%CI 0.37-0.68)
補正後で肺炎リスク有意な減少:補正オッズ比 0.49 95%CI 0.35-0.69
相関関係は心血管疾患、肺疾患といったサブグループでも一致し、他の処方薬剤とは独立した因子であった。
肺機能低下を予防するという報告もあるようである。
CHEST 2006: Abstract 180S-c. October 23, 2006.
<FEV1>
非スタチン投与群:FEV1減少 88ml/年
スタチン投与群:FEV1減少 12ml/年(P < .0001).
<FVC>
非スタチン投与群:23mL/年減少
スタチン投与群:125 mL/年増加 (P < .0001).
あまりにきれいに改善しているので・・・ホントかなぁ・・・と
心血管疾患のpleiotropic action(Circulation. 2004;109:III-39 – III-43.)以外に・・・
・市中肺炎入院患者の30日死亡率への予防的影響
Respir Res. 2005 Jul 25;6:82.
・重症敗血症減少
Circulation. 2004 Aug 17;110(7):880-5. Epub 2004 Aug 2.
・老人の股関節骨折リスク減少
JAMA. 2000 Jun 28;283(24):3211-6.
・黄斑変性症
Br J Ophthalmol. 2005 Sep;89(9):1171-5.
・スタチンや他高脂血症治療薬の使用はうつ・自殺と関連せず。現行のスタチン使用は心血管イベントなどの減少により結果的にうつ抑制の可能性
Arch Intern Med. 2003 Sep 8;163(16):1926-32.
by internalmedicine | 2006-10-29 11:46 | 呼吸器系