救急外来での吸入ステロイドの短期効果


救急外来で、急性の喘息発作に対して、吸入ステロイド1-4時間での効果にbest evidenceが有るかどうか?

Rapid Effects of Inhaled Corticosteroids in Acute Asthma
An Evidence-Based Evaluation
(Chest. 2006;130:1301-1311.)
クライテリアに合致した17の研究のレビュー(47名の成人、663名の小児・)

プロトコール2-4時間後の、在院率減少:オッズ比0.30(95%CI 0.16-0.55)
(ICSの量はばらつきがあり、比較対照はばらばらでありプラセボとの対照が特に差が大きい)

ICS治療患者もプラセボやステロイド全身投与に比較して、救急外来からの退出早期となる(OR, 4.70; 95% CI, 2.97 ~ 7.42; p = 0.0001)

ICS使用のadvantageは60分後のスパイロメトリーや臨床測定値でも示された。

<結論>βアゴニストとともにICSを行うことで経口ステロイドより即効性が期待できる



好酸球、T細胞のような炎症細胞の流入を防ぎ、マスト細胞を減少させ、気道上皮のintegrityを健全に保つ作用がある。分子生物学的な正確なメカニズムは未だ不明であるが、炎症のコントロールを障害するproinflammatory cytokine(IL-4、IL-5、GCSF、RANTES)やNOSのような酵素を減少させるはたらきがある。直接作用はIL-1、 RANTES、 IL-8、 IL-5のtranscription抑制である。糖質コルチコイドは細胞質の受容体と結合し、活性化し、核内へtranslocateし、多くの遺伝子の5'-promoter regionへglucocorticoid-responsive elementが結合し働く



こういう機序でない、即効性の有る機序が考えられる。

by internalmedicine | 2006-11-13 11:25 | 呼吸器系  

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