chlorthalidoneの血糖上昇作用はあるが、臨床的な意味は結論づけできない


ALLHAT研究では高血圧老人ではどの治療タイプでも空腹時血糖の増加が見られた、chlorthalidoneは125mg/dL以上の若干の増加リスクが、他の薬剤より認められたが、利尿剤関連糖尿病リスクの増加が臨床的イベント増加の確定的な結論とは言えない”


Fasting Glucose Levels and Incident Diabetes Mellitus in Older Nondiabetic Adults Randomized to Receive 3 Different Classes of Antihypertensive Treatment
A Report From the Antihypertensive and Lipid-Lowering Treatment to Prevent Heart Attack Trial (ALLHAT)
Arch Intern Med. 2006;166:2191-2201.
血糖増加はサイアザイド利尿剤治療で報告されている。この所見の重要性は不明である。
研究の目的は第一選択薬としてサイアザイド、CCB、ACEを用いたときの空腹時血糖(FG)値への影響を比較することと、心血管・腎疾患リスクがFG増加と関連するかどうか、そして、DMの頻度と関連するかどうか研究した者。
ALLHATからのpost hocサブグループ研究であり、


chlorthalidone (n = 8419)
amlodipine (n = 4958)
lisinopril (n = 5034)

4.9年の観察期間


Mean FG levels increased during follow-up in all treatment groups.

2年時、cholorthalidone群は大きく血糖増加(+8.5 mg/dL [0.47 mmol/L]
vs
amlodipine: +5.5 mg/dL [0.31 mmol/L]
lisinopril: +3.5 mg/dL [0.19 mmol/L] )


chlorthalidoneと比較した糖尿病発症率:
lisinopril:0.55 [95%CI 0.43-0.70]
amlodipine:0.73 [95%CI 0.58-0.91]
(P<.01).

2年めの血糖の変化と冠動脈心疾患、卒中、心血管疾患、総死亡率、末期の腎障害と有意な関連がない。

2年目の糖尿病発生頻度に関して、冠動脈疾患(リスク比 1.64 P=.006)以外有意な相関がないが、リスク比はchlorthalidone群では低い、もしくは、有意でなかった(リスク比 1.45 P=.14)



CASE-Jの<副次評価項目>
“ 糖尿病の新規発症に対し、ブロプレスはアムロジピンと比較して新規発症リスクを36%減少させました(p=0.030)。さらに、肥満度が高くなるほどブロプレス群はアムロジピン群と比較してより顕著に糖尿病の新規発症を抑制しました"

・・・というのが発表されている(CASE-J)わけだが、


この血糖問題はALLHATの結果がでたときも同様の議論があり、結局、臨床的意義は保留されていたと思う。ファイザーよりの日本の専門家たちはchlorthalidoneの血糖高値をALLHATの時は問題にしていたが、今回のCASE-Jの結果はファイザーに都合の悪いものであったが、守勢逆転し、果たしてどのような言い訳をするのか・・実に楽しみである。

by internalmedicine | 2006-11-14 16:33 | 動脈硬化/循環器  

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