喘息の疫学
2006年 11月 24日
・西世界のうち特定のエリアで喘息の頻度が増加しているというエビデンスがある。
20世紀の後半、その程度は各国バラバラだが、喘息の頻度は増加がみられた。1990年代後、いくつかのヨーロッパ、アジア各国でその傾向にばらつきが見られるようになった。子供・成人の間、重症・軽症喘息、先進国・発展途上国には明確な歳がない。
短期的変化をもたらす環境要因について未知な部分が多い。故に、喘息予防について真に正当化できる推奨項目は少ない。
・受動的喫煙を含めた喫煙回避は、他の多くの健康自由と同様、喘息予防では特に重要である。疫学エビデンスにて喫煙暴露と喘息発症の原因的事象関係が強く示唆されている。
・反対に、抗原レベル減少、食事内容の変更指導、ワクチン接種や抗生物質・解熱剤の回避、probiotics投与、若年時のペット暴露などいずれも効果がないか、プライマリ予防測定項目としては不確実なものである。
・喘息のepidemicを戦うための予防戦略の発展の大きく寄与するであろう微生物の物質の同定が発達しているという考え
微生物は主に腸で暴露され、抗生物質使用で、腸の微生物細菌叢に変化をもたらす。
喘息様疾患が、若年児で、多くの国で抗生剤治療がなされており、抗生剤使用と喘息のリスク増加に相関がある。抗生物質投与と喘息の相関に関する疑問は、抗生物質処方の適応と喘息発症前使用を考慮に入れた研究の方が適切であろうが、そういった方法では相関に関するエビデンスが証明できなかった。
同様に、ワクチンが喘息発症に確定的に影響があるということを示すエビデンスは存在しない。
アセトアミノフェン使用もまた喘息発症と相関といわれているが、処方を避けることを正当化するほどの影響ではなく、小さいものである。
明確な感染のない微生物の暴露が生じる。viableな微生物と微生物のうちnonviableな部分が屋内、戸外のほとんどで様々な濃度で見られる。
こういったものの豊富な環境暴露は、伝統的な酪農家の家畜小屋などでみられ、喘息やアトピーのリスクを減少することが示されている。
微生物暴露のレベルの違いが都市部と田舎の間の喘息頻度の違いに一部寄与している可能性があり、特に発展途上国ではそうである。
細菌・真菌の客観的な測定で喘息・喘鳴との逆相関が見られ、エンドトキシンは2つの反する効果、アトピーには予防的であるが、非アトピー性喘息や喘鳴ではリスク要因となる。
by internalmedicine | 2006-11-24 10:36 | 呼吸器系