減量と体重増加を繰り返すほど、その差が大きいほど胆石症リスクを増加



体重減少は有症状胆石と関連があり、1.5Kg(3.3lb)/週以上の体重の減少はそれ以下の体重変化のものに比べ、胆石形成の関連性が高い。中年女性の大規模コホート研究において、体重減少→増加 9Kg(20lb)以上の1サイクル以上の場合は胆嚢摘出に関してBMIと独立した強い危険因子であり、2.0(95%CI 1.3-2.1)の相対リスクである。(Am Fam Physician 2005;72:637-42.


以上のように、体重変化が胆石のリスク要因であることは知っていた。

だが、男性では女性ほど明確なエビデンスはなかったようである。

Weight Cycling and Risk of Gallstone Disease in Men
Arch Intern Med. 2006;166:2369-2374.

【背景】繰り返された減量と体重増加の胆石リスクへの長期的効果は男性においては不明であった。

【方法】Health Professionals Follow-up Studyで1992年において事前4年間の減量情報調査。体重のサイクルのあるひとは減量と体重再増加をきたしたひとであり、ベースラインで胆嚢疾患のない男性を1992年から2002年までフォローした。 2年越しのアンケートをベースにして、新規胆嚢疾患を報告したもの
【結果】フォローアップ264760人年にて有症状胆石を確認。
体重の増減の胆嚢疾患リスクへの影響を調査。体重増減群の多変量解析相対リスクは体重維持群に比較して寄与因子補正後、light cycler:1.11(95%CI 0.94-1.31)、moderate cycler:1.18(95%CI 0.97-1.43)、severe cycler: 1.42 (95% CI, 1.11-1.81)であった。
体重増減エピソードの回数との関係を調査、1サイクル以上の場合、light cycler:1.10(95%CI 0.88-1.37)、moderate cycler:1.28(95%CI 1.03-1.59)、severe cycler:1.51(95%CI 1.13-2.02)


結論として、体重減少・増加のサイクルをくりかえすことは、BMIと独立して、男性において胆石リスク増加をもたらし、体重の変動が大きいほど、そのサイクルが多いほどそのリスクの増加をもたらすとのこと

by internalmedicine | 2006-11-29 09:06 | 内科全般  

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