事故謝罪マニュアル翻訳の加筆・削除・意訳について
2006年 12月 02日
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20061201ik0a.htm
医療訴訟の件数が増加傾向にある中、米国の「ミスを認め、謝罪する」という運動を日本でも広げようとする動きがでてきた。東大医療政策人材養成講座で学ぶ医師らが、医療事故が起きた時に、患者・家族にどう対応したらよいかをまとめた米国の「医療事故 真実説明・謝罪マニュアル」を翻訳し、ホームページで公開した。
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翻訳メンバーは、「日本の医療にも参考になる」としている。ホームページのアドレスは、(http://www.stop-medical-accident.net/)
このマニュアルで、医療事故ってのをどう訳すか、気になって原文を当たってみた。
"When Things go Wrong responding to Adverse Event"なのだが、事故謝罪マニュアルという表題になっている。
以下のごとき、対比となっていた。
・Adverse Event → 有害事象
・Medical Error → 医療過誤
・Serious Error → 深刻な過誤
・Minor Error → 軽微な過誤
・Near Miss → ニアミス
・Preventable adverse event → 予防可能な有害事象
・Unpreventable adverse event → 予防不可能な有害事象
・Incident → インシデント(医療事故)
・Disclosure → 情報開示
・Reporting → 報告
ただ、"インシデント(医療事故):有害事象あるいは深刻な過誤。事故ともいいます。"という記載がある。該当部分は“Incident: An adverse event or serious error. Also
sometimes referred to as an event.”と訳されている。正しくは、“インシデント:有害事象あるいは深刻な過誤。これは又、時に、事故と呼ばれることもある。”だと思うのだが・・・
加筆および削除がみられるのである。
タイトルからして、彼らの意訳がめだつわけで、この“事故謝罪マニュアル翻訳”を参照する場合は注意が必要だろう
・・・・原文<http://www.macoalition.org/documents/respondingToAdverseEvents.pdf>
この場合は、翻訳者の意見を聞きたいのではなく、原文を忠実に表現することを読者は期待するのだと思う。インシデントまで医療事故の範疇まで広げて彼らのテリトリーを増やそうとでも考えているのだろうかとゲスの勘ぐりまでしてしまいどうである。
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東大閥ということで、黒川清を取り込み、厚労省・法務省も巻き込み・・・政治的な力も発揮し始めている・・・彼らのせいで日本の医療は完全崩壊となるだろう
あまりに偏った考えだということを理解できず、自己修正できないのは日本の官僚の姿勢とよく似ている。
by internalmedicine | 2006-12-02 09:18 | 医療一般