ADDOPT:チアゾリジン系薬剤 vs metformin vs SU剤

薬剤耐久性:durabilityという観点からの報告で、単剤のまま経過できればその薬剤は優秀ということになるのだろう。チアゾリジン系薬剤はmetforminやSU剤に比べて、優秀であったとのこと。

・・・では、そのまんま第一選択になるかというと、そうでもないらしい。


単剤で、ほぼ正常の血糖としてその状態を維持することで長期糖尿病合併症を減少することとなる。現実的には、ライフスタイルや薬物学的介入にかかわらず、血糖は2型糖尿病では時と共に増加することとなる、おそらくβ細胞機能の低下によるものであろう。2型糖尿病の進展の性質は従来の血糖降下剤で糖化ヘモグロビンを目標値で維持することが困難にしており、薬剤をエスカレートしたり、インスリン治療を組み合わせる必要がでてくる。


チアゾリジン系薬剤(Thiazolidinediones)は筋肉・肝臓・脂肪組織のインスリン抵抗性を減少し、2型糖尿病の進展を遅れさせるといわれる。小規模の臨床研究では、thiazolidinedioneはβ細胞機能を温存する結果が得られているが、今回、ADDOPT(A Diabetes Outcome Progression Trial)と呼ばれる、多施設ランダム化対照臨床トライアルは糖尿病コントロールのdurabilityを評価するもので、thiazolidinedioneであるrosiglitazone、biguanideであるmetformin、sulfonylureaであるglyburideによる単剤投与を評価したものが報告されている。


単剤治療の耐容性
Glycemic Durability of Rosiglitazone, Metformin, or Glyburide Monotherapy
NEJM Early Release Posted December 4, 2006
・Kaplan-meier分析5年後単剤治療失敗の累積頻度でrosiglitazone 15%、metformin 21%、glyburide 34%

・上記リスク減少は、rosiglitazone群は、metoforminに比べて32%のリスク減少、glyburideと比べて63%の減少

・治療効果のdurabilityの違いはrosiglitazoneとglyburideでrogiglitazoneとmetforminより大きかった。

・Glyburideは心血管イベントにおいてrosiglitazoneより低リスク、metformin関連のリスクはrosiglitazoneと同様である。

・rosiglitazoneは、metforminやglyburideより体重増加・浮腫を伴いやすい。metforminより消化器イベントが少なく、glyburideより低血糖が少ない


ADOPTは糖以外への影響に関して注目を与えたとのこと、
・4年での体重増加がrosiglitazone(2.5Kg)glyburideより多く、metoforminに比べて6.9Kgも多い。
・rosiglitazoneの体重増加ループ利尿剤、スタチン使用を増加させた。
・glyburideの副作用は体重増加、低血糖であり、metforminは胃腸症状の副作用が見られた。
・1年時のインスリン分泌は維持できず、rosiglitazoneとmetforminのインスリン分泌の差は有意差はあるものの、小さい
・インスリン感受性の改善がrosiglitazoneでもっとも有効なdurable effectとしてみられた。
・心血管イベント減少は他のthiazolidinedione study、すなわち、アクトスのPROACTIVE研究があったが、ADOPTではその結果は支持できるものではなかった。
・この研究では、glyburideがもっとも重篤な心血管合併症減少と関連していた。
「thiazolidinedioneは比較的高価であり、特徴的副作用、潜在的リスクとbenefitを考慮して選択されるべきである」とADOPT著者らは結論づけている。
rosiglitazoneの血糖への効果が比較的軽度であることと高価であることから考え、metforminが第一選択で有り続けると考えられる。

by internalmedicine | 2006-12-05 14:30 | 動脈硬化/循環器  

<< 自閉症と扁桃体 骨粗鬆症と交感神経:うつの骨粗... >>