ノロウィルス流行

ノロウイルス猛威…感染性胃腸炎、25年間で最大流行
(読売新聞) - 12月8日


以下、消毒に関する個人用まとめ

CDC Fact Sheet:Norovirus in Healthcare Facilities
http://www.cdc.gov/ncidod/dhqp/id_norovirusFS.html
Isolation precautions(隔離予防)
ノロウィルス感染が疑われた患者は、手洗いを重視した標準予防と共に管理されるべき。しかし、接触予防は、拘束された患者・失禁患者、施設流行中、着衣のcontaminationを生じる可能性があるときは行われるべきである。
吐瀉物や糞便で重篤に汚染された領域を清浄するものは手術用マスクを装着すべきである。流行した場合は、疑い患者を個室へ移すこと、患者のコホートを考慮すべき

Environmental disinfection
US-EPAで登録したノロウィルス感染への病院での消毒薬はないが、CDCは塩素系漂白剤をノロウィルス感染の生じた環境での硬い、浸透性のない表面に使用すること推奨している。1000ppm(漂白剤1倍量を50倍量の水で薄める *自身がないの各自調べてください)がノロウィルスと同様のウィルスで有効という研究室のデータから示されているのである。医療施設スタッフは、漂白剤を用いるときはPPE(手袋とゴーグルなど)を用いること

第4級アンモニア化合物は、食べ物表面や台所や床といった大きな面積を持つ表面の消毒に用いるがノロウィルスはエンベロープが無く、おそらく有効でない

フェノールベースの消毒薬はノロウィルスに対して有効であるという研究室データがある。しかし、ルーチン使用の2-4倍濃度が必要となる。

EPAが認可しているcalicivirus(FCV)へのperoxygen compoundであるVirkon-S(R)の可能性

熱消毒は60度以上で消毒できる。



ノロウイルスに関するQ&Aについて(厚労省)サイトでは
拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約200ppm)で浸すように床を拭き取り、その後水拭きをします。おむつ等は、速やかに閉じてふん便等を包み込みます。おむつや拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に密閉して廃棄します。(この際、ビニール袋に廃棄物が充分に浸る量の次亜塩素酸ナトリウム(塩素濃度約1,000ppm)を入れることが望ましい。)
と書かれている。200ppmだと、上記CDCのガイドラインと比べると少なすぎる気がするのだが・・・大丈夫なのだろうか?・・・最小濃度が1000ppmと書かれているのだが・・・
A minimum concentration of 1000 ppm has been demonstrated in the laboratory to be effective against surrogate viruses with properties similar to those of norovirus.



丸石製薬のWebサイトがnorovirusの消毒に関してよくまとまっている。
次亜塩素酸ナトリウムの濃度につきましては、塩素濃度約200~1000ppmが有効とされています。
ということで、こちらは200ppm支持のようである。

ノロウィルス消毒の項目から
加熱(消毒対象物が85℃1分以上になる条件)が有効とされています。
消毒剤では、エタノールや逆性石鹸はあまり効果がなく、次亜塩素酸ナトリウムが有効とされています。






New Zealandのガイドライン(UK、USなどと同様)
Guidelines for the Management of Norovirus Outbreaks in Hospitals and Elderly Care Institutions January 2005
http://www.arphs.govt.nz/Services/DC/Disease/NLV_OutbreaksJan05.pdf




あまりに一方的な番組のメインスポンサーと想定される花王製品は購入しない運動展開してるのだが、それはおいといて、
大阪府のパンフを参考にすると、家庭用塩素10ccと水道水2500ccとのこと

ハイター(R)に関しては情報提示が不十分のようである。花王のサイトで成分表示がはっきりしていない。

別のサイトを確認すると・・・
ピューラックス(次亜塩素酸ナトリウム 6%)
キッチンハイター(次亜塩素酸ナトリウム 5~6%)
ということらしい。

1000ppmという基準なら、20分の1程度が妥当なのだろうが・・・


ところで、このサイトの情報によると
『キッチンハイター』は界面活性剤が添加されていることから洗浄能力の点では、次亜塩素酸ナトリウム単独の製品である『ピューラックス』よりは優位性があると考えられる。(「ピューラックスとキッチンハイターの効果について」)
と書かれているが、Personal Protective Equipment(PPE)という面ではどうなのか? 医療施設などは、何が入っているか分からない製品(家庭用)を使用するより、成分のはっきりしたものを使用するべきと思うのだが・・・

by internalmedicine | 2006-12-09 09:57 | 感染症  

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