20年度からの特定検診・特定保健指導
2006年 12月 22日
日医白クマ通信から・・・
平成20年度からの特定検診・特定保健指導
検診・保健指導の指導者研修会(H18.12.20)
(1)医師が行う運動指導(30分)
津下 一代 (あいち健康の森健康科学総合センター副センター長兼健康開発部長) PDF:919KB
(2)医師が行う栄養指導(30分)
伊藤 千賀子(日本糖尿病学会「健康日本21」の糖尿病対策検討委員会委員長)PDF:1MB
運動指導に関しては、
メッツ・時(エクササイズ)/週を採用
メタボリックシンドローム対策として
週10エクササイズ程度かそれ以上として、週150分、1ヶ月で1~2%の内臓脂肪減少が期待できる
としている。
メッツやエクササイズという単位が用いられるいきさつがここ(http://www.h4.dion.ne.jp/~jssf/text/doukousp/pdf/200605/0605-1419.pdf)に書かれている
システマティック・レビューで抽出された文献を対象に生活習慣病予防という観点で、どれくらいの身体活動・運動が必要かということを明らかにするために、METs・時/週という指標を用いて、最も身体活動・運動量の少ない群に比べて、各種生活習慣病の罹患率が統計的に有意に低下する群の身体活動・運動の下限値を挙げていった。
METs・時とは、運動強度の指数であるMET値に運動時間(時間)を掛けたものである。
またMETとは、当該身体活動におけるエネルギー消費量を座位安静時代謝量(酸素摂取量で約3.5mL/kg/分に相当)で除したものである。
酸素1.0リットルの消費を5.0kcalのエネルギー消費と換算すると、1.0MET・時は体重70kgの場合は74kcal、60kgの場合は63kcalとなる。
このように標準的な体格の場合、1.0MET・時は体重とほぼ同じエネルギー消費量となり、METs・時が身体活動量を定量化する場合に頻繁に使われている。 つまり、METs・時/週とは週当たりの身体活動・運動量である。
このような文献の精査から、生活習慣病予防という観点から“健康づくりのために必要な”、身体活動量は23METs・時/週、運動では4METs・時/週ということが明らかとなった。
生活習慣病予防に必要な身体活動量と運動量を別個に決めた理由は、この区別を行わないで運動と身体活動を一緒にすると、これらの文献から集められたMETs・時/週は、2METs・時/週から27METs・時/週とかなりの範囲に分布し、一定の値を決めることが不可能であったからである。
そこで、それらの文献について、身体活動(physicalactivity:骨格筋の収縮を伴い安静時より多くのエネルギー消費を伴う身体の状態であり、日常生活活動における労働・家事等や余暇における運動・スポーツ活動等が含まれる)と運動(exercise:身体活動の一種であり、特に体力(競技に関連する体力と健康に関連する体力を含む)を維持・増進させるために行う計画的・組織的で継続性のあるものであり、速歩やジョギング、ランニング、自転車乗り、水泳、テニス、バドミントン、サッカー等を含む)と分けて見たところ、運動では2~10METs・時/週に分布し、身体活動では19~27METs・時/週に分布し、はっきりと分布が分かれた。 また、その範囲もそれほど大きくなかったことからそれらの値の平均値をとると、運動では4METs・時/週、身体活動では23METs・時/週を生活習慣病予防に必要な量と決めるのが妥当と考えられた。
メッツ・エクササイズという指標
「メッツ」(強さの単位):
身体活動の強さを、安静時の何倍に相当するかで表す単位で、座って安静にしている状態が1メッツ、普通歩行が3メッツに相当します。
a standard for encoding descriptive, administrative, and structural metadata about objects within a digital library, expressed using XML. METS is being developed by the Digital Library Federation (DLF) and is maintained by the Library of Congress (http://www.loc.gov/standards/mets/).
www.library.uiuc.edu/accesswg/glossary.htm
健康づくりのための運動指針2006/)
Nomogram based on metabolic equivalents and age for assessing aerobic exercise capacity in men
J Am Coll Cardiol, 1993; 22:175-182
Nomogram for Exercise Capacity in Women
N. Engl. J. Med., November 24, 2005; 353(21): 2301 - 2303.
外国語を使わないといけないのか?・・・
介護保険の時のやたらと横文字を導入して現場を混乱におとしめたあの反省はないのか?メッツという表現は、循環器や内科をかじっていると以前からなじみのある用語なのだが、エクササイズという単位にはなにかしら反発を感じてしまう。ごり押し用語の羅列なのだが、この仕事を続けるのなら、つきあわざる得ない・・・などと愚痴る。
身体活動と運動を区別し、指導するようである。
身体活動(physicalactivity:骨格筋の収縮を伴い安静時より多くのエネルギー消費を伴う身体の状態で日常生活活動における労働・家事等や余暇における運動・スポーツ活動等が含まれる)
運動(exercise:身体活動の一種であり、特に体力(競技に関連する体力と健康に関連する体力を含む)
・・・なんか押しつけがましい、官僚主導の臭いがする。
栄養管理としては、ほぼ糖尿病に準じた指導のようで、食品交換表を用いた指導になっているようである。
by internalmedicine | 2006-12-22 08:25 | 動脈硬化/循環器