ペルマックス・アメル、カバサールという薬剤処方時、心臓弁膜へのリスクを考慮しなければならない

メシル酸ペルゴリド(Pergolide mesilate)錠 「ペルマックス」 ・「アメル」 や カベルゴリン(Cabergoline) 「カバサール錠」が日本では関係あるかもしれない。


日本から、NEUROLOGY 2006;67:1225-1229でも同様の内容報告されており、自明のことなのかもしれないが、不勉強で知らなかった。


Dopamine Agonists and the Risk of Cardiac-Valve Regurgitation
N Engl J Med Volume 356:29-38 January 4, 2007 Number 1

抗パーキンソン病薬と心臓弁逆流の相関が大規模GPデータベースのnested case-control studyで見いだされた。

心臓弁膜逆流症の発生頻度比率は、いずれも現行使用で
・pergolide  7.1
・cabergoline 4.9

しかし他のドーパミンアゴニストの現行使用では相関は見られない。






医薬品安全性情報Vol.1 No.27 (2003. 10. 10) (pdf)
[‘Celance’](pergolide)と心弁膜症
[‘Celance’](pergolide)は麦角由来のドパミン作動薬で,主にパーキンソン病の治療に使われる。単独療法およびlevodopaの補助療法として適応がある。Pergolideの発売以降,心弁膜症の少数例が報告されている。1989年よりpergolideで治療された推定50万人では,心弁膜症の報告頻度は10万件に5件の割合より少ない。一連の症例が最近Mayo clinicから報告された。心弁膜症は,いくつかの症例では1つの弁に限定されたが,その他の症例では複数の弁で発生していた。自発報告や論文発表の症例は,pergolideと心弁膜症の関連の可能性を示唆しているが,現時点では因果関係を明確に結論付けることはできない。後腹膜,胸膜および心膜の線維化症は,まれではあるがよく知られているergotamineの副作用である。麦角アルカロイド誘導体で報告されている心臓弁の線維化症は,さらにまれである。麦角アルカロイド誘導体で見られる弁の線維化の作用機序が,後腹膜,胸膜および心膜の線維化症に関係しているかどうかは不明である。


この論文での推論
ドパミンアゴニストは第一選択としてパーキンソン病に使われ、むずむず脚症候群、高プロラクチン血症を伴う患者に処方されることもある。
pergolideと繊維性の弁膜性心臓病の発症との関連、特に高用量・長期間使用において報告されている。
エコー上軽症から重症の心臓弁膜逆流、1つ以上の弁膜の障害がみられる。
組織学的には、カルチノイド症候群、ergot誘導体やfenfluramineの使用時の弁膜異常に類似し、pergolide中止時に改善も報告されている。
cabergolineと弁膜症の2例報告などもあり、パーロデル5年治療での重症三尖弁閉鎖不全の報告もある。

すべてのドパミンアゴニストが必ずしも心臓弁膜逆流発症と関連するわけではないというメカニズム土壌がある。
というのが、pergolideとcabergolineは5-hydroxytrpytamine 2B(5-HT2B)受容体であり、心臓弁膜で発現があるのである。だが、パーロデルなどのbromocriptineやlisurideはantagonist作用であり、Pramipexoleやropiniroleは5-Ht2B受容体に対して低親和性しか示さない。

心臓線維筋芽細胞の細胞分裂延長作用がこの受容体活動性により認めら絵、故に、弁膜の線維欠乏をもたらすのでは無かろうかと推論

by internalmedicine | 2007-01-04 09:31 | 動脈硬化/循環器  

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