きちんと薬を服用しないと寿命が短くなる!
2007年 01月 10日
三〇年ほど前のNHKのニュースなんかはまともな放送をいていて、なにか医療的な問題が生じると患者側の非遵守性に関して、啓発してくれていた。今は、NHKも他の民放と一緒で、医療コストを無視して、すべての悪の権化は医者ということにしているような放送がめだつ。
医者の言うことを聞きなさい!なんてのは・・・久しく聞くことがなく、
医者の言うことを信用するな!ということばかり・・・
医者の言うことを聞く人は、生活態度が良いから、もともと、予後良好なんだという話もまた聞く・・・ところが・・・そうじゃないんだ・・・やっぱり、「薬をきちんと服用しているから予後良好となるんだ」というはなしになりそうな論文
Relationship Between Adherence to Evidence-Based Pharmacotherapy and Long-term Mortality After Acute Myocardial Infarction
JAMA. 2007;297:177-186.
【序】薬剤遵守性の程度は生存率に係わるかという話はまだはっきりしていない。
薬剤をきちんと服用することによる“healthy adhere”という遵守しやすい行動を示す人たちの特性によるのではないかともされている。それをはっきりさせようというもの
【目的】急性心筋梗塞後(AMI)の薬剤遵守性と死亡率の相関
【メインアウトカム】
3つのカテゴリーに患者の遵守性を分類
高:proportion of days covered, ≥80%
中間:intermediate (proportion of days covered, 40%-79%
l低:proportion of days covered, <40%
長期死亡率と比較(中央値二.四年フォローアップ)
【結果】
スタチン使用者のうち、高adherenceにほとは、死亡リスクが非常に低い
死亡
・高遵守率:2310/14345(16%)
・中間遵守率:472/2407 (20%)
・低遵守率:261/1071(24%)
高遵守 vs 低遵守ハザード比 1.25; 95% 信頼区間 1.09-1.42; P = .001
高遵守 vs 中間遵守ハザード比 1.12; 95% 信頼区間 1.01-1.25; P = .03
同様だが、そこまで用量依存性がない遵守性-死亡率の相関がβ遮断剤でも見られる。
カルシウムチャンネル遮断剤(CCB)では相関が見られない。
さらに、感度分析では、薬剤遵守性とガン関連入院・アウトカムの関連はみられなかった。
【結論】心筋梗塞後の薬剤遵守性の改善が長期生存効果をもたらす。それは薬剤の種類により特異的であり、“医療上の遵守するひと”という現象面を示しているだけというわけではない。
by internalmedicine | 2007-01-10 10:05 | 動脈硬化/循環器