カルシウム補給そのものは、骨密度・骨折リスクとも確定的なエビデンスではない
2004年 06月 22日
米国家庭医学会の記述ではCochrane reviewからカルシウム補給単独では骨密度には軽度の増加しかない。メタアナリシスではベースラインからの%変化は2年後総骨密度2.05%(95%CI 0.24 - 3.86), 腰椎(95%CI, 0.92 - 2.39), 骨盤1.60%(95% CI, 0.78 - 2.41),遠側頭骨1.91%(95%CI 0.33 - 3.50)
椎体骨骨折の相対リスクは0.79(95%CI 0.54-1.09)、非椎体骨骨折は0.86(95%CI 0.43-1.72)
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あらためて、以下を強調したいと思います。
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連日2000mg/日までは成人では安全だが、テトラサイクリンや、他の鉄を含むものなどを含むときは吸収が悪くなる。過剰投与はカルシウム毒性に関与する腎障害や他の問題点を生じる。
National Institutes of Health Consensus Development Conference Statement June 6-8, 1994
ミルク・アルカリ症候群というのは、日本では少ないのでしょうか?連日2000mg摂取するためには2L程度以上の牛乳が必要となります。特殊な食事の仕方でないと難しい。
サプリメントでは/a>3.6gあたりカルシウム - 414mgという商品なども通常の5倍程度の量で、食事中のカルシウムを考えれば、比較的この可能性はでてくるのでは・・?
今回は癌との関係につづき牛乳CM批判
“骨の主要構成成分はカルシウムとリンである。カルシウム摂取量が増えると骨密度が高くなり、牛乳摂取量が増えると骨密度が高くなるという報告がある。また、若年期の乳・乳製品の摂取習慣が老人になった時の骨粗鬆症の危険を少なくするなど、牛乳の優れた効果が報告されている。”とかかれてますが、“?”
この小児骨折予防効果はかなり少ない数での検討であんまりエビデンスレベルは高くない!
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young children avoiding milk are prone to fracture.
J Am Diet Assoc. 2004 Feb;104(2):250-3.
参考:骨粗鬆症ガイドライン
by internalmedicine | 2004-06-22 14:39 | 医学